2021年5月12日水曜日

国民投票法の改正案 衆院通過


 多くの欠陥をそのまま残した形で、国民投票法の改正案が衆議院で

可決されました。

 改正案の中身自体は利便性の向上につながるものが多い中、期日前

投票の時間が短縮される可能性も生まれるため疑問符を付けざるを

得ないものもありますが、なによりも、ずっと指摘されてきた致命的

な欠陥を修正しないまま可決したことに、「これで、国民投票法の

修繕は(CM規制は3年間で話し合うということで)すべて済みました」

ということになるのではないか、という不安が募ります。


● 社説:国民投票法改正へ まず合意事項の実行を (秋田魁新報)

 https://www.sakigake.jp/news/article/20210511AK0012/



「ただし現行法は、投票を呼び掛けるCMを投票日の14日前から

制限。それ以前は自由だ。ネット広告に関する規定はない。

このため立民は政党の資金力が投票結果を左右するとして問題視。

公平性を担保することを目的として規制を求めてきた。

 確かに、資金量の豊富な政党などが大量のCMを流せば、投票行動

に影響を与える可能性は否定できないだろう。一方、表現の自由を

守るために、規制が行き過ぎないよう十分な配慮が必要だ。」


「他にも課題は残る。中でも重要なのは、国民投票が成立する

「最低投票率」を定める制度導入の是非だ。07年の法制定時の

付帯決議では検討するとされたが、議論の進展はない。

 極端に低い投票率の下で行われた国民投票で憲法改正の是非が

決まるのは適当でないとの指摘がある。憲法の正統性にも関わり得る

論点を置き去りにした今回の法改正には疑問も残る。さらなる議論を

求めたい。」


 立憲民主党は、今後3年間は自民党を改憲に突き進ませない壁を

作ることができた、と考えているようですが、付則の解釈はさまざま

なようなので、楽観はしていられません。 

また、問題はCM規制だけではないことは、上記記事でも書かれて

います。

 国民投票法の欠陥、改正案の不十分さを知ることがとても大事で

と共に、各野党からの「なぜ自分たちは賛成/反対なのか」という

丁寧な説明も欲しいですね。誠実な説明がないと、国会の外側に

いる市民としては理解が進みません。

 地味な上にいろいろと事情がややこしい問題ですが、私たち

あすわかは、法律や改正案の問題点を淡々と指摘し続けます。