2019年1月25日金曜日

取り調べの弁護人立ち合い  被疑者被告人の人権の底上げが急務です。


●容疑者の権利か 真相解明か 弁護士会「取り調べ立ち会いを」 (産経)

 記事のタイトルがすべて表していますが、「真相解明のためなら被疑者の
人権の侵害は仕方ない」というゆがんだ人権感覚が、捜査機関のみならず、
社会全体に浸透していることは、とてもとても深刻な問題です。
 どんな人にも尊厳があり、人権がある。
 「罪を犯したかもしれない」と疑われただけで長期間の拘束はじめ過酷な環境
に置かれ、「人以下」な扱いを余儀なくされる日本の司法制度は、やはり国際的
にみれば「中世レベル」です。
 それがフツウだと感じる方は、顧みるべきです。

 記事中の警察官の「弁護士が取り調べに立ち会うと真相解明が遠のく」という
主張は謎です。
 弁護士に見られると、なぜ真相解明が遠のくのか、その論理は…??
 弁護士に見られたくないような取り調べをしている、と自白しているような
ものです。
 もし、そういう取り調べでないと真相解明できない、というなら、それは制度を
恨むのではなく、自身の能力を疑うべきでは。
 
 逮捕されただけで犯罪者扱いされ、「犯罪者に人権などない」とばかりに社会
から排除する日本。「犯罪者認定された人」は、この国で最も人権が軽視されて
いる部類の人です。
 ある日、無実の罪で逮捕されるのは、私かもしれないし、あなたかもしれない。
他人事ではないのです。
 被疑者被告人の人権の底上げを図ることが、日本の人権保障レベルの底上げに
つながります。