2019年1月7日月曜日

災害時には国会議員の任期延長!って… 今のうちに知っとこ改憲4項目②-2☆


 自民党が「提示」を予定している改憲の4項目(まだ党内でも
正式な案にすらなってない謎のもの)を1つ1つ見ていくシリーズ、
今日は、「国会議員の任期延長(選挙の先延ばし)」という案に
ついてです。
 
 これは「大規模な災害」により「選挙の適正な実施が困難」な時
には、国会議員の任期を伸ばして選挙を先送りできる、という改憲案。
 国政選挙が予定されていたのに「大災害」が起き、選挙ができなく
なって「国会議員が不在」の状態になったら大変だから改憲しよう、
という提案です。

 では条文案を見てみましょう。




 「選挙の適正な実施が困難」な時って…かなり恣意的に判断でき
そうな漠然とした要件ですね。
 毎年のように大きな地震や水害で大きな被害が出続けていますが、
どれをとっても「大規模な災害」ですし、「こんな時に選挙など
やってる場合か、実施できない可能性が高い!」と、言ってしまえ
ます。

 でも、選挙って、国民の参政権の核です。国民主権のかなめです。

 政治のかじ取りを誰に任せるかを国民が決める、とてつもなく重要
な機会。それを「選ばれる側」の国会議員が、勝手に伸ばせるという
のは、警戒が必要です。

 条文案を見てみると、延長期間の限度もありません。

 政治の主導権を失いたくない与党が、支持率が低い(選挙に負けそうな)
時の選挙を回避するために使ったり、できてしまうわけです。

 …かなり容易に国民の参政権を奪えてしまう改憲です。
 ちなみに、国会議員がたとえいなくなっても、首相や閣僚は次の首相
が任命されるまでは、内閣として仕事を続けるので、「不在」はあり
ません。行政は粛々と続きます。
 
 非常時だといって国民の参政権を奪い、民意から逃げ続けられる
規定は、独裁につながりかねません。
 そういう緊急の時にこそ、「参議院の緊急集会(54条2項)」を
使えばいい、わけですしね。


 国会議員の任期延長…うーん、意味があるとは思えず、その上キケン
というものです。