2019年6月12日水曜日

都合の悪い統計・情報を存在しないものにする政権・与党



 自民党の森山裕国対委員長は、夫婦の老後資金として公的
年金以外に「30年間で約2,000万円が必要」とする試算
を出した金融庁の報告書について「政府は受け取らないと決断
した。報告書はもうない」と述べ、報告書を巡る国会の予算委
員会開催に否定的な考えを示した、とのこと。


●2000万円報告書 自民「政府は受け取らない。もうない」予算委開催に難色 (毎日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190612-00000035-mai-pol


 あらゆる想像を超えていく、与党の振舞い。
 専門家に分析と報告を頼んでおきながら、自分たちの選挙に
不利な情報が上がってきたら受け取りを拒否して、抗議して、
「報告書はもうない」と、存在しないことにする…!!
 
 単純に考えて、「少子高齢化が進めば、年金は順調な運営が
難しくなるのではないか」くらい誰でもぼんやり分かっています。
そして少子高齢化の最大の原因が自民党にある、わけでもない。

 だからこれから年金の制度をどうやって建て直したらいいん
だろう?と、問題の所在を国民に分かりやすく提示し、専門家
の力を借りながら必死に対策を考えて実施していくのが、政治
の役割…ですよね?
 それをすればいいだけですよね??

 「そんな不都合な事実、認めてたまるか!」とばかりに抗議
したり受け取り拒否したり、存在しないことにするなんて。
 つまり、選挙に勝てる、自民党に都合のいい数字・試算・
データしか存在を認めない、ということです。
 それ以外の専門家の意見など紙くずだ、ということです。

 このままでは、都合のいい数字を出せ、と忖度を迫られた官庁が
再び統計を不正に処理したり公文書を改ざんすることは、必然と
いってもいい。

 真実と向き合わない政治家に、国民の生活を託せるわけないで
しょう…?
 選挙で勝って権力を握り続けること「だけ」を考える政党が、
国の未来や国民の未来を真剣に考えるわけがない。。。

 ふつーに考えて、「われわれは選挙を控えているわけですから」
とか、「受け取りを拒否する」とか、どう考えても正気ではない
行動を、こんなにも露骨にあからさまにとるわけがない。
 自民党の、動揺しまくって慌ててなんとか取り繕おうとしても
気が動転しすぎて墓穴を掘り続けている、という状況も、なんと
なく分かります。
 そして、こんな政党に権力を託していることがどんなに人生・
生活において危ういか、も、分かります。


 「日本が地震大国だなんて認めない。そんな事実は存在しない。」
と言っているようなものです。
 これは、怒りを通り越して、恐怖を覚えるべき事態です。

 科学的に、論理的に物事を考え、真実と向き合い、全国民の生活
のために奔走する政治家・政党。権力を託すべきは、そんな人たち
です。

 真実を拒否し、なかったことにするような政党には、その資格が
ないのです。