2014年10月1日水曜日

特定秘密保護法 施行日は12月10日とか言ってますが…



 報道によりますと、政府は特定秘密保護法を12月10日に
施行する方向で調整しているようです。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141001/k10015033851000.html


 世耕官房副長官は午後の記者会見で、「国民の理解が得られる
よう説明責任を果たしていきたい」という考えを示したそうで…




 昨年、法案があれだけずさんな国会運営の果てに強行採決
されていった時にも、政府は同じように「国民の理解が得られる
ように丁寧に説明をしている」と何度も言ってました。結局丁寧
な説明なんて一切なかったのは皆さまご承知の通りです…

 当然、それとまた同じことが繰り返されるのではないか、と疑い
たくなります。


 だって、「21世紀の民主主義国家において最悪の法律」
(by元米政府高官モートン・ハルペリン氏)とまで評されるほど
国際的にも類を見ない治安立法で、国民主権も三権分立も
表現の自由もプライバシーも踏みにじる内容です。
  実質的な、そして想定されていないし許容されもしない改憲
に等しい破壊力を持っているこの法律を、12月20日までの
短期間で、どううまく「民主主義国家に適した法律」として調整
できるというのでしょう?運用基準とか施行規則とか、そんな
小手先の調整でその危険性を収めることなどできっこないの
です。そして、政府はおそらく、そんな調整をしようなどという
意思もない(この法律を作った意味がなくなりますものね)。




 12月10日に施行するんだ、という結論ありきで、テキトーな
議論で幕引きを図ろうとするなら、そんなこと絶対に許されま
せん。




 シリアで空爆が始まりました。国家と国家の戦争ではなく、
「イスラム国」というテロ組織を壊滅させるための軍事作戦で
あるとしても、それは大量殺戮であることには何の変わりも
ありません。
 「武力で平和を勝ち取る?軍事力があってこその平和維持?
何それ。意味分かんない。」と誰よりも早く宣言した日本の憲法
9条。それを骨抜きにして、今すぐにでも他国間の戦争に参加
したい、という政府の考えはあまりにも時代錯誤としか言いよう
がありません。その計画を完成させるのが、この特定秘密保護
法です。いつどこで自衛隊が何をするのか、何をしたのか、その
戦争とやらの実態はどんなものなのか、それを全て国民に秘密
にする法律があってこそ、現政権の考える「積極的平和主義」が
完成します。


 憲法の明文を変えるのはめんどくさいしきっと支持されない
から、と考えて、「憲法の読み方を変えます」なんていう解釈
改憲という手法をとり、
 さらに、実質的に改憲してしまう特定秘密保護法という法律
を作って、
 「積極的平和主義」を完成させる…

 この道のりを、不誠実なんじゃないか、と。
正直言って卑怯なんじゃないか、と、
そう思わずにいられますか?
 


 これを知った国民の皆さまは、「いいよ秘密でも」「興味ないし
ね」と思いますか?




 
 何度でも言います。この国を動かすのは、この国の運命を
最終的に決定する主権者は、私たち国民です。一部の権力者
などでは決してないのです。国家の情報は、私たち主権者の
ものです。私たち主権者はその国家の情報を得て、ものを考え
て、議論して、疑問を抱き、アクションを起こして、政治へ響かせ
る。このサイクルを麻痺させるわけにはいかないのです。
誇りを持った個人として、この国で生きるために、この法律を
許してはいけません。




 2万通を超えて集まったパブリックコメントを決して「はいはい
ご意見うかがいましたー」とゴミにさせないように、臨時国会での
議論を見守りましょう。地元の国会議員へ意見を届け続けましょう。
皆さま1人ひとりが、何でもいいから、声を上げてみましょう。
民主主義って、そうすることでしか守れません。
 まだいろいろ法律のこと分からないことたくさんあるなぁと思った
ら、私たちあすわか弁護士が講師を務める憲法カフェにぜひ足を
お運びください。このSNSで発信する解説を参考になさってください。
 


 もう施行日決まっちゃったんだね、と落胆することが、
一番「やってはいけないこと」ですよ(キリッ)☆