2014年10月18日土曜日

今さら人に聞ケナイ特定秘密保護法 <身辺調査・大臣の愛人は?>

特定秘密保護法のホラーなポイントをお知らせしていますが、実は何かの冗談かというようなおかしなポイントもあるのでご紹介します。

身辺調査では、秘密を扱う本人の家族や同居人の名前を質問票に書かせます。その対象者は、配偶者、自分の父母、配偶者の父母、自分の子、配偶者の子、自分の兄弟…ということになっています。特定秘密保護法の12条はすっごく読みにくいので、「これでわかった! 超訳 特定秘密保護法」では、イラストにしています(55頁)。

 ただ、私たち弁護士としては、秘密を扱う人が不倫をしてたらどうなるのかなと気になりまして、この条文を読み込んでみたんです。でも、愛人って配偶者じゃないし、配偶者と同居している愛人なんて普通いませんよね。

ということは…自分と愛人との間の子は、自分の「子」ということで身...辺調査の対象になりますが、愛人自身は身辺調査の対象ではない!愛人がいるだなんて奥さんにも秘密なことをわざわざ役所だけには申告するなんてことはなさそうな気がしますしね。
映画なんかだと、ハニートラップといって、色仕掛けでスパイが近づいてくることがよくありますね、でもこの法律では、それは防げないというわけです。

 それから、大臣、副大臣、大臣政務官、総理大臣補佐官なんかはそもそも身辺調査を受ける必要がありません(11条)。

 うん、つまり、大臣とかに愛人がいる場合が、一番危ないのです
大臣が愛人作るわけ無い…でしょうか?でも、大臣にイロイロとモンダイのあったコトって、実にイロイロありましたヨネ。
職業政治家ではなくて民間人だって大臣に登用されることがありますし、こういう、特定秘密を扱う中心人物たる大臣や副大臣なんかがプライベートでどんな「清廉潔白」ではない人間関係事情を抱えていたとしても、それはノーチェック。

このように、一番大事なところをカバーできないのに、秘密に近づこうとする国民には厳罰を課す法律なのです。
秘密を守ろうという「目的」と、その「手段」がぜんぜん対応していない…法律の作り方としてはとってもとっても上手とは言えません。
この法律では、秘密は守れない、無駄な法律だということすらできてしまいます。たちの悪い冗談にしか見えません。

* もっと詳しく知りたい方は、ぜひ当会執筆「これでわかった! 超訳 特定秘密保護法」をお読み下さい(*゜ ∇ ゜ )☆

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