2014年10月12日日曜日

今さら人に聞ケナイ特定秘密保護法 <そもそも必要じゃなかったでしょ前編>

特定秘密保護法のホラーなポイントをまだご存じない方のために
しつこく解説する本シリーズ、今日は、そもそも、この法律が必要
だったなんていう事情、ないんでしょう?というお話(前編)。

 法律ってたくさんあるからテキトーに作っていいんでしょ?と
われるかもしれませんが、ノンノン!


 「どうしても必要」という事情がないと、法律を作って国民の自
を狭めることはできない、というのが立法の基本ルールです。
にこの特定秘密保護法のように、新しい犯罪類型を作って、
今までだったら逮捕とかされない人を逮捕できるようにするような
法律は、「この法律が絶対に必要!」といえる事情がなければ、
作ることは許されないのです。


 特定秘密保護法は1条で「最近は、ネットワーク社会だから
秘密が漏れやすい、それをちゃんと管理しない...と国や国民の
安全が危ない、だから秘密を保護する仕組みが必要なの!」と
語っています。
 「うーん、納得!」ですか?騙されちゃってませんか?この法律

ホントに必要なの?ということを考えてみたいと思います。
 1条の話に戻ると、考えなきゃいけないことは、

①そんなにこの国の秘密がダダ漏れてるの?②この法律のやり
方で管理すれば私たちは安全でいられるの?ってことですね。

  今回は、まず①について考えてみましょう。
 「国の秘密を守る法律がないから、漏れてしまってるんでしょう?」。
いいえ、以前から国家公務員は、法律で職務上の秘密を漏らしたら
最高懲役1年でしたし、自衛隊員は、最高懲役5年!


 「それじゃ足りなかったから、漏れてるんじゃないの?」。
 いえいえ。
 秘密を漏らしたことを理由に処罰されたのは、2001年以降たった
5件で、懲役になって刑務所に行った人は1人だけ。それも10ヶ月
だったんです!
 「でも、尖閣のビデオが流出したじゃん?」。
 あぁ、そんな事件ありましたね、でもあの事件、そもそも、海上保安
庁はビデオを秘密として管理しておらず、多数の職員さんが見られる
状態だったんです。ずばり、秘密ではなかったのです。だから当時、
特定秘密保護法があれば尖閣のビデオの流出を防げたわけでも
なく、実際にビデオを流した方は処罰されていないんですよ。
だから、尖閣のビデオ流出事件を繰り返さないためには特定秘密
保護法が必要なんだっ」という主張はかーなーり筋違いな(事件の
こと何も知らないんだなっていう)主張なのです。

 本当に最高刑10年のこんな法律要るんでしょうか???


* もっと詳しく知りたい方は、ぜひ当会著「これでわかった!
超訳 特定秘密保護法」(岩波書店)をお読み下さい(*゚ ∇ ゚ )☆