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2015年6月19日金曜日
砂川判決はすがれる藁ではない。でもすがっちゃう政府はもう支離滅裂…の図
<キホンの整理>
ジメジメして不快指数が高まっている季節。
政治もなんかごちゃごちゃして、脳内不快指数が高まっていくので、
一度、キホンを整理しましょう(整理できていれば読み飛ばしましょう)。
憲法9条は戦争を放棄して、戦力の不保持を宣言しています。
でも国民の命を預かる国家として、外国が侵略してきたときには、
いくらなんでも反撃はしていいはず。
だから、憲法9条も(個別的)自衛権は認めています。
でもそれだけです。
同盟国の戦争に参加すること(集団的自衛権)など、到底許されません。
これが、これまでの政府解釈でした。
ですがこれを安倍政権は突然壊しました。
かなり、めちゃくちゃに壊しました。
これからは「憲法9条は、同盟国の戦争への参戦(集団的自衛権)を、
許している。」と考えることにしますっ!
…と、宣言したのです。
いやいやいやいや…戦争放棄してる条文が、なぜ戦争を
許すんだい(-_-;)。
許されるわけないだろう。許されるわけがない、って政府
自身が言ってきたくせに。
と、当然批判沸騰、です。
ですが、安倍政権はそういう批判は何処吹く風。
なんと、国民に特に何も説明せずに海を渡ってアメリカまで行き、
「日本はこれから集団的自衛権行使できる国になりますんで」と、
約束してきました。
(おおおおぅい、ユーはどこの国のプライムミニスターなんだミスターアベ…)
そして日本の国会で、国民に丁寧に説明どころか。
誠実な議論どころか。
質問を無視。そしてヤジで妨害。
9割以上の学者が声を揃えて「憲法違反だ」と批判しても、無視。
理屈も理論もない政府には、もう頼れるものがない。
だから無視という戦法しかない…というのは、考えてみれば素直な
発想かもしれません。
<砂川事件は、すがれる藁なのかしら?>
そして,ここへ来て砂川事件の最高裁判決です。
安倍首相や高村副総裁、つまり政府与党は、砂川事件の最高裁
判決を引っ張り出して、「最高裁の判決法理によると、憲法上、集団
的自衛権は認められてるんだよっ!」と壊れたレコードみたいに繰り
返しています。
でも、それ、全然違う。
まるで見当違いであることは、すでにお話しました。
http://www.asuno-jiyuu.com/2015/06/blog-post_11.html
(一部引用)
そもそも砂川事件最高裁判決は、在日アメリカ軍の駐留が
憲法に反するかどうかを判断したものです。
日本がどのような戦力(具体的には自衛隊ですね)を持って
いいか、どのような武力行使をしてもいいかということについ
て判断したものではありません。
さらに、最高裁判決は、9条2項が「いわゆる自衛のための
戦力の保持をも禁じたものであるか否かは別として」、在日
米軍は憲法9条2項で保持を禁止されている戦力ではない、
と言っています。
この「別として」という部分からも、この判決が、日本がどの
ような戦力を持っていいか、そして「集団的自衛権の行使」、
つまり日本が攻撃されていないときに日本が武力行使をしても
いいか、という場面について何も言っていないことがわかります。
この最高裁判決から「必要最小限の集団的自衛権は認めて
いるんだ」と解釈することは、明らかに無理があるんです。(引用終わり)
学者は勿論、元判事も、元内閣法制局長官も、かつて砂川事件をたたかった
弁護士達も、新聞社説も、「いや、砂川事件判決は根拠になら
ないでしょう」といいます。
とっくのとうに論破されているのに、聞こえていないふりをして
いるのか、本当に理解できていないのか(どっちにしろ悲劇ですが)、
政府はひたすら「砂川事件判決が根拠だ」と言い続けています。
でも、さらに支離滅裂なのは、中谷防衛大臣は、「砂川事件判決
は根拠ではない」と答弁なさったのです。
http://mainichi.jp/select/news/20150616k0000m010093000c.html
いわく
「(根拠は)あくまでも72年の政府見解の基本的論理だ。砂川判決
を直接の根拠としているわけではないが、砂川判決はこの基本的
な論理と軌を一にするものだ」。
!Σ( ̄口 ̄;;
圧倒的に議論で負けている政府の中で、首相と防衛大臣が
まるで正反対のことを言っている。
ご自分達が、自身の発言の意味を理解できていない。
これが遠い外国の話なら、まだ笑って済む話かもしれませんが、
私たちの住む国のリーダー達の話なのですから、背筋が凍ります。
早稲田大学の長谷部恭男教授は、砂川判決を持ち出す政府を
「藁にもすがる思いで持ち出したのかもしれないが、しょせん藁だ。」
とおっしゃいました。
座布団を差し上げたくなりました。
論理・理屈でものを考える人達に政治を託したい。
そんなことも叶わないこの国に未来はあるのでしょうか。
<資料>
●高村副総裁
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/article/175497
自民党の高村正彦副総裁は14日のNHK番組で、集団的
自衛権行使を可能にする安全保障関連法案について、
1959年の最高裁砂川事件判決を根拠に「今の憲法で許される」
と合憲性を強調した。
●安倍首相
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015060902000112.html
首相は法案が合憲との根拠について一九五九年の最高裁
による砂川事件判決を挙げ「わが国の存立を全うするために
自衛の措置を取りうることは国家権能として当然のこと」と指摘。
その上で今回の集団的自衛権の行使容認に関し「他国の防衛
を目的とするのでなく、最高裁判決に沿ったものであるのは
明白」と述べた。
●砂川事件弁護団
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015061302000133.html
砂川事件判決が、集団的自衛権の根拠になどならないことを改めて
声明で発表(眼科に行け、とのこと)