2015年6月15日月曜日

【マグナカルタ】

皆さん、今日が何の日かご存知ですか?

実は、800年前の今日、イギリスで、マグナカルタという憲法の祖先ができた日なのです。

日本では鎌倉時代、ヨーロッパでは十字軍がイスラムを攻撃していた時代です。
この時代のイギリスに、ジョンというイケてない王様がいて、諸侯に勝手に税金を課して、フランスと戦争を繰り返し、負けて、ノルマンディーを失い、また戦争をしようとしていたので、「も~ついて行けんわ」という諸侯がジョンに反旗を翻したのです。
ロビンフッドも、このジョンに抵抗して、活躍していたんですね。

そして、諸侯に迫られて、ジョンが「もう勝手なことはしません」という書類にサインをさせられたのが、1215年6月15日のことでした。
マグナカルタの中では、国王の徴税権の制限、不当な逮捕の禁止、議会の招集、都市や教会の自由、商業活動の自由などが定められ、「国王も法の下にある」という原則が定められたのです。
その後、マグナカルタを否定する王様や教皇が出てきたりして、すったもんだの末、いろいろ修正されて1225年にようやく公布されました。
その後も、無視されたり、一時期、忘れ去られたりするなどの紆余曲折はありましたが、清教徒革命のときに再び脚光を浴びました。
このマグナカルタの一部は、今でもイギリスの憲法の一部として効力をもっています(イギリスには明文の「憲法典」というものがありませんが、憲法として扱われています。)。

権力は濫用されがちなもので、それを法で縛らなければならないという考え方が、800年も前からあったんですね。
そして、戦争のために税金を掛けようとしたのを、諸侯が反対して止めたんだということも驚きです。

そして、今、当たり前のように存在する立憲主義、民主主義、自由や権利って、本当に長い歴史の中で、昔の人たちが苦しい思いをして勝ち取ってきたものなんだということが分かりますよね。
先人たちの苦労を思えば、ちょっと与党が横暴だからって、へこたれちゃいけません。
なんなら、次の選挙で落としてしまえばいいんですしね。

日本国憲法は70年も経っていて古いから変えなきゃいけないという言い方をする人がいますが、マグナカルタから連なる人類が獲得してきた最先端の仕組みを取り入れたものが日本国憲法だったのです。
古いって言ったら、マグナカルタは800年ですからね。
古いかどうかじゃなくて、重要なのは中身だってことが良く分かります。

そして、今、安保関連法案が違憲だと「多数の著名な憲法学者」が声を上げています。
憲法学者は、こうした長い歴史の中で苦労して勝ち取られてきた価値というものを踏まえて、発言しているのだと思います。
これを聞き入れる度量と見識を持ち、違憲な法案は撤回していただきたいと思います。

海外サイト http://magnacarta800th.com/
世界史の窓 http://www.y-history.net/appendix/wh0603_2-007.html
※ 写真は、ワシントンDCの連邦図書館のマグナカルタ展で展示されていたもの。
※ 布のようなものが1215年作成の4枚の写本のうちの1枚。
※ 本になっているのは、1225年に修正されて公布されたものの14世紀に造られた写本。
http://www.livescience.com/48679-magna-carta-exhibit-librar…