「性と生殖に関する健康と権利(リプロダクティブ・ヘルス&ライツ)」
は、自己決定権の中でも重要なものの1つです。
簡単にいうと、性、妊娠、出産、中絶について十分な情報を得て、生殖に
まつわるすべてを自分の自由な意思で決められる権利のことをいいます。
その中でも特に国や地域によって保障の程度が違って問題になっている
のが、「中絶の権利」です。先日、フランスで女性の中絶の権利が憲法に
明記されたので、ご紹介します。アタル首相は「我々はすべての女性に
メッセージを送る。あなたの体はあなた自身のものであり、あなた以外の
誰にも決める権利はない」と述べたとのこと。
● フランス、中絶の「自由」を憲法で保護へ
上下両院が憲法改正を可決 (朝日)
https://digital.asahi.com/articles/ASS352SQ7S35UHBI007.html
<一部引用>
新たに改正された憲法では、公共の自由などを記した34条に女性の
中絶の選択が「保障された自由」と明記される。中絶の権利を保護する
明確な文言が追加されたことで、政権交代が起きても女性の中絶の選択
をめぐる状況を後戻りさせることは難しくなった。
<引用終わり>
アメリカでは2022年に連邦最高裁が中絶の権利を『憲法上保障され
るものではない』として判例を覆してしまったので、なおさら希望を感じ
ます。
では日本はどうでしょう?日本ではリプロダクティブ・ヘルス&ライツ、
特に「中絶の権利」はどの程度保障されているのでしょうか。(続)