2024年3月7日木曜日

日本における「中絶の権利」の現在地…


 リプロダクティブ・ヘルス&ライツ、なかんずく「中絶の権利」に

ついては、一方ではアメリカ連邦最高裁が「憲法上保障されない」と

判断し、他方フランスでは憲法に明記され、人権感覚やジェンダー観、

宗教観も複雑にからんで扱いが揺れています。日本も「中絶の権利」は

きちんと保障されているとはいえない状況です。


 WHOは、日本で主流の掻爬(そうは)法の人工妊娠中絶を、「安全で

なく時代遅れの手法だ」として、直ちに薬による中絶などに切り替える

よう勧告しています。ようやく中絶薬が承認されたものの、「切り替え」

が進んでいるとはいえない状況です…なぜこのような危険な手法が主流か、

については下記記事にあるように「女性を罰する」性差別的な発想が根深い、

と度々指摘されています。


● 「男性は壮大なフィクションから脱却を」

                  信田さよ子さんの提言 (毎日)

 https://mainichi.jp/articles/20240301/k00/00m/100/074000c



<一部引用>

 人工妊娠中絶手術は原則、相手の男性の同意が必要とされていて、

いまだに(子宮内を金属製の器具でかき出す)「搔爬(そうは)法」など

母体にリスクのある術式が主流となっています。また23年11月から、

薬局でのアフターピル(緊急避妊薬)の販売が試験的に始まったものの、

費用は高額なままです。

 こういった現状から、妊娠は婚姻関係下ですべきで、「枠から外れた人」

を罰して「痛い目に遭わせる」という女性蔑視的な思想が、明治期から

全く変わっていないと感じます。

<引用終わり>


 そもそも、日本の刑法には明治時代からの「自己堕胎罪」がいまだに

存在し、女性の妊娠中絶は原則として刑事罰の対象となっています

(胎児はイエの物、という家父長制的な発想に基づいています!)。

こうした差別的で時代遅れな規定を決して放置せず、廃止して女性の

自己決定権をきちんと保障しようという政治(と政治家)を求めます。