2021年3月17日水曜日

同性婚が認められないのは憲法14条違反! 札幌地裁判決


 全国各地で「同性婚が認められないのは憲法に違反する」として

同性カップルたちが国を訴えた裁判が起こされています。

 本日、その中の一つである札幌の裁判で、札幌地裁は原告の賠償

請求を退けた上で、「法の下の平等」を規定した憲法に反するとした

違憲判決を出しました。


● 裁判長涙ながらに「差別的だ」

…札幌地裁 法の下の平等に反して"違憲" 全国初の同性婚訴訟

                    (北海道ニュースUHB)

https://www.uhb.jp/news/single.html?id=18987&fbclid=IwAR0EbsMsXmBGCnEJtPxAQbCenm7ix0FAbrdjILsgOQ0dkmNxdWeM9WTT3FU



 憲法の基本知識として、ぜひおさえて頂きたいポイントは、

憲法24条は同性婚を禁止していない、ということです。

 24条は「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し」と定めている

ので、この「両性」を「異性間カップルのみを指している=同性婚を

認めていない」と思われがちですが、それは昔の話。

 24条を定めた当時、起草者たちは「合意のみ」というフレーズを

強調したい意思(親の同意など不要!というメッセージ)はあったものの、

同性婚についてはおそらく何も考えておらず、「1組のカップル」という

意味で「両性」という言葉を用いました。

 なので24条は決して同性婚を禁止する意思はなく、憲法を改正しな

くても同性婚は立法で実現可能だ、という考えが、現在では通説です。

本日の札幌地裁判決も、憲法24条は異性婚について定めたものである

ものの、同性カップルへの一切の法的保護を否定したものではない、と

述べています。


 判決は、異性間カップルと同性カップルとでは、性的指向しか違いが

ないのに、異性間カップルだけが婚姻できてさまざまな法的利益を受け

ることができるのは、「法の下の平等」を定めた憲法14条に反する、

としました。



 弁護団から声明が出ているので、ぜひご参照ください。


<「結婚の自由をすべての人に」北海道訴訟判決についての弁護団声明 >

https://www.call4.jp/file/pdf/202103/6de4ae9fba10ec03979ce2835e084c61.pdf


 一部抜粋します→「本日の判決は、国会が本件規定を改廃していない

ことが国家賠償法上違法であるとはいえないとしたが、それは違憲状態

をそのまま放置することを単に容認したものではなく、法改正に、もはや

一刻の猶予もないことを指し示すものである。 

 国は、この判決を真摯に受け止め、憲法に反するとされた現行の民法

及び戸籍法の改正に直ちに着手し、この違憲状態を速やかに解消すべき

である。」