2021年3月11日木曜日

「一つ一つの小さな差別に気づくことが大切」

 

 先ほど紹介した、元最高裁判事の桜井龍子さんのインタビュー記事。 

 一人ひとりがあらゆる差別の解消に向けて、よくよく心にとどめて

おくべきことが語られていました。

 

● 日本のジェンダー平等へ「一つ一つの小さな差別への気付きが大切」

                 元最高裁判事の桜井龍子さん (東京)

 https://www.tokyo-np.co.jp/article/89651


<一部抜粋>

― 女性自身が意識を変えるためには。

 一つ一つの小さな差別に気づくことが大切です。たとえば「男勝り」

という言葉。私もよく若いころ、男性上司にこう言われると、「そんな

ふうに認められたのか」と喜んだものです。でも、よく考えてみると、

男性が上位にあって女性は下位という構図を前提にした言葉です。

下位の女性にもかかわらず、上位の男性をしのぐほど仕事ができると

いう意味です。こうした差別的なニュアンスを持つ言葉や考え方、制度は、

気付かないうちに差別社会の構造の一つになっていて、別の差別を再生産

します。

<抜粋終わり>

 例で挙げられている「男勝り」という言葉、つい先日、自民党の竹下

亘氏が橋本聖子氏を「褒める」際に用いました。あの時、多くの人は

その言葉の差別的な意味に気づいて怒りましたが、「別に怒るほどの

ことじゃなくない?」「言葉狩りだ」と竹下氏を擁護する声もありまし

た。その言葉が生み出された経緯、使われる文脈への思慮が浅いと、差別

への構造には気づけない、典型的なケースでした。


 言葉や言い回し(女だてら、女々しい、あるいは夫を主人と呼ぶカル

チャー等々)は、女性にも永年すりこまれてきたもので、使っている側

が特に意識しないことも多いだけに、一度構造化したものは一気に解消

できない難しさがあります。でも人間がレベルアップすれば社会も言葉も

レベルアップするものです。

 一人ひとりが「あれ?これおかしくない?」と地道に疑問をもつこと、

社会に問うことをめんどくさがらないことが、ほんとうに大事です。