2021年3月11日木曜日

「ニュートラルな」男性のみで論点整理する自民党


 自民党が選択的夫婦別姓制度を議論するワーキングチーム(WT)

を設置するとのこと。今さら何を議論するのだろうという感じですが、

衝撃だったのはその幹部が全員男性で意図的に女性を排除したことです。


● 選択的夫婦別姓、自民が男性のみで論点整理へ

「ニュートラルな方に幹部になってもらった」と下村政調会長 (東京)

 https://www.tokyo-np.co.jp/amp/article/90717?__twitter_impression=true



<一部抜粋>

 WT座長には石原伸晃元幹事長、事務局長に西村明宏氏が就く。

この2人と党内の関連部会長の冨岡勉、奥野信亮両氏の計4人で

あらかじめ論点をまとめる。

 下村博文政調会長は10日の記者会見で「ニュートラル(中立)

な方に幹部になってもらった」と話し、女性議員が論点整理に加わ

らないことに理解を求めた。党内や国民の間に多様な意見がある

ことを踏まえ「拙速な議論はしない」と、期限を設けずに検討する

考えを示した。

<抜粋終わり>


 「ニュートラル」…すごい言葉の使い方です。

 「ニュートラル」に謝った方がいいくらいの。

 人権侵害の制度を改めるべきだという議論で、「ニュートラルな

立場」が存在するわけがありません。

 推しはかると、つまり幹部の4名は「性差別を放置するのも改める

のも、どっちありだと思っている」方々だということですが、その

考え自体が差別的です。基本的人権は決して奪われたり侵されたり

してはならないもので、侵されたまま放置するのもアリかなと思って

る時点でアウトです。

 

 差別の被害者たる女性をここでも排除して、差別する側に立つ

「冷静なオレたち」がすべて適切に判断できるという発想は、あまり

にもごう慢で、森発言以来、我が身を顧みるチャンスはいくらでも

あったであろうに、何一つ自分では変えられないんだなと深い落胆に

襲われます。

 そもそも、「党内や国民の間に多様な意見がある」という認識が

歪んでいます。反対してすべての夫婦の同姓強制にこだわるのは

下村氏含むごく一部の自民党議員だけです。正直、不気味なほどの

特殊な執念に駆られている自分たちを「有力説」みたいに大きく評価

しすぎではないでしょうか。


 拙速な議論はしないと言っていますが、選択的夫婦別姓の議論は

数十年前からされて、もう議論はし尽くしています。

だれにもダメージがない、デメリットも無い、「別姓を選びたい

カップルだけが別姓を選べばいい」制度です。これ以上、無駄に時間

を伸ばすのはおかしい。

 この、性差別に異様な執念を持ち続ける方々が政治をハンドリング

している以上、日本の性差別は解消されず、レベルアップし続ける

国際社会から乖離し続けることは、間違いありません。


 それでも、この政権を支持しますか?

 選挙で、意思を示しましょう。