2017年2月5日日曜日

やや日めくり憲法 25条(生存権)



憲法25条 
 ① すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
 ② 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆
  衛生の向上及び増進に努めなければならない。




 「まんが日本昔話」でおなじみのテーマソング

「にんげんっていいな」(山口あかり作詞・小林亜星作曲)

の有名なフレーズにこんな一節があります。


いいな いいな にんげんって いいな おいしいおやつに 
 ほかほかごはん こどもの かえりを まってるだろな

「いいな いいな にんげんって いいな みんなでなかよく 
 ポチャポチャおふろ あったかい ふとんで ねむるんだろな♪」



憲法25条は、まさにこの歌で歌われているように、
「にんげん」として当たり前の生活が誰にでも「権利」と
して保障されていることを高らかに宣言している感動的な
条文です。

 
 ごはんを食べて、お風呂に入って、暖かい布団で眠る・・・
衣食住が保障されてこそ人間は人間らしく生きることができます。
条文にはどこにも「生存」なんて言葉は出てきませんが、25条が
「『生存権』を保障した」と言われるゆえんです。


 さらに、25条は、単に人がギリギリ生きていくだけの衣食住が
与えられるだけでよしとしてはいません、「健康で文化的」で
なければいけないといっているのです。ここは重要なポイントです。
康で文化的な生活が送れて初めて「個人の尊厳」が守れるのだ、
という確信がにじんでいますね。


 貧困は自己責任ではありません。

 貧困にならないようにするのは国家の責任です。


憲法25条1項は、すべての人に対して「生存権」=「安心して
生活をする権利」を保障しています。
国民の自由・人権を守るために国家を作って権力を託しているの
ですから、経済的に困窮した国民の尊厳を守るのは、まさに国家
の義務ですよね。

 
この憲法の規定に基づいて生活保護法が制定されております。
生活に困ったら誰でも生活保護を受けることができます。

それは憲法が保障している「権利」だからです。


 「権利」であるということの意味は、誰でも生活に困ったら
遠慮することなく正々堂々国に対して求めることができるという
ことです。



このように25条は、すべての基本的人権の土台となるだけで
なく人間としてよりよい生活を営むことができることを国の
責任で保障しているとても豊かな条文です。