2016年6月27日月曜日

争点隠し? 自民党さんはもっと堂々と改憲を語ってほしいなと思います②



 選挙になったとたんに、なんか憲法変えたいという熱意を
語らなくなった安倍首相や自民党さん。
 それじゃ有権者はちゃんと判断できません。しっかり語って
ほしいですね、という話の続きです。




 昨日(26日)のNHK『日曜討論』では、自民党の稲田朋美さんが、
「私たちが、戦争をする国に作る、みたいな、レッテル貼りはやめて
いただきたい」
 とおっしゃってました。


レッテル貼りだ!と言われると、あぁなんかひどいレッテル貼りされ
てるのかな…って思ってしまうかもしれません。


 で、も、


 でも、どっからどう見ても、憲法9条は戦争放棄・戦力不保持を
宣言しているのです。
  「自衛隊は他国から攻撃された時に身を守るための『自衛』力
だから戦力ではありません、攻められてもいないのにどっかに攻め
に行くなんてありえない。」
 この解釈、何十年も積み重ねてきて、それこそ歴代の自民党の
首相が何度も何度も繰り返し答弁してきたものなのです。


 それを、いとも簡単に「憲法9条は集団的自衛権の行使(攻めら
れてないけど同盟国の戦争に参加すること)を許している」と読み
替えたのは、安倍政権です。
どう逆立ちしても読めないのに「そう読・む・ん・で・すっ!」とねじ
伏せるように宣言して安保関連法まで作ってしまった。


 これで、『戦争できる国にしようとしてる』と批判したところで、
それがレッテル貼りだと反論される筋合いはないんじゃないかな
と思います。




 稲田議員は、さらに、こんな発言をしました。


 「 自民党の出している憲法草案も、
国民主権、平和主義、基本的人権の尊重、
これは全く変えません。」




 をををっΣ( ̄□ ̄;)




 そ、それは違うんじゃないかな…




 自民党の改憲草案は、自民党のHPからいつでもダウンロードできます。
 ぜひ一家に一冊。
https://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf#search='%E8%87%AA%E6%B0%91%E5%85%9A+%E6%94%B9%E6%86%B2%E8%8D%89%E6%A1%88' 




 この改憲草案を読むと、
 まず世界でも例を見ない『戦力不保持』をうたった9条2項が
バッサリ消えていて、代わりに「自衛権の行使」。
ここにいう「自衛権の行使」は歯止めのない集団的自衛権の行使を
含みます。
 そして9条の2を新設して、「国防軍の創設」を宣言しています。





 国内における軍隊の治安維持活動や軍法会議(軍事裁判所)の設置
も続きます。
国民には領土の保全に協力する義務も課せられます。なんでしょうねこれ…




 さらに12条・13条は、国民の基本的人権よりも「公益」「公の秩序」が
上位概念として持ち出され、「公益」「公の秩序」の名の下に自由・人権が
容易に制約できるという規定に様変わりしてしまっています。






 「個人の尊重」がテーマの日本国憲法はじめ近代民主主義国家の
憲法は、国民の生命や人権より尊いものはない、という価値観を共有
しています。一人ひとりがその人らしい人生を歩める尊厳ある存在で
ある、それ以上に大事なことなんてないし、そのために国家を作った
んだ、と。
 秩序やら公益やら、モヤモヤっとした「国家の事情」で押しつぶされて
いいわけがない。


 自民党の世界観は、今の日本国憲法の世界観とは、天と地くらい
違うものなのです。




 それを、「全く変えません」と言い切ってしまう稲田議員の…
なんというか…これは一体どういうことなのか。


 善い方向に解釈したくても限界があります。


 自民党の改憲草案では、基本的人権の尊重や平和主義は、
否定されます。