2015年7月29日水曜日

え!? 自民党草案が教科書になったって? イクホウシャ教科書へのツッコミ①

みなさん、教科書採択ってご存知ですか!?


4年に1回、学校で使う教科書が変わるんですよね
みなさんも、1年生で使っていたのとは違う会社の教科書を2年生で使うことになって違和感あった、なんてことありませんか?
実は、中学校は、今年がその教科書採択の年なんです!


自分の子どもが使うかもしれない教科書だから、ちょっと見に行こうか、と思って、市役所に行ってみたら、あるわあるわ、いろんな教科書が。
で、弁護士ですんでね、
憲法のところが気になるわけで公民を見てみました
(英語や数学なんかは見ても分からないので手にも取らず…)


ううん?
なんかこの公民の教科書、どっかで見たことあるような・・・\(◎o◎)/!
あっ、分かった!
自民党改憲草案だ!
あれ? 自民党改憲草案が教科書として売り出したの!?
と思ったので、調べてみたら
このイクホウシャの教科書、その筋では有名なんですね
安倍さんが「採択で大きな成功をおさめるよう一緒に頑張りましょう」と述べたことがあるそうで。




権力者である安倍さんが特定の教科書を賞賛していたことの是非はともかく、
自民党改憲草案の危険性をお伝えするのが、あすわかの仕事
その教科書版ってことで、このイクホウシャの教科書についても
ツッコミをさせていただきますね!




例えば、立憲主義って言葉があるじゃないですか!?
「国民の権利や自由を守るために、憲法で権力を縛る」という考え方ですよね


ところが、このイクホウシャの教科書では


「各国は独自の『価値』を憲法に記述することにより、国民に自覚と誇りをもたせています。また、憲法は、政治権力が乱用されることのないように抑制するしくみを定めて、国民の権利と自由を保障し、権力を行使して国民の福祉を増進する根拠となっています。そして、国民どうしの権利侵害に対して、民法・刑法その他の法律の解釈を通じて間接的に規律をあたえています。憲法にのっとって国を運営していくことを立憲主義といいます」


となっていて、よく分かりません。


憲法に独自の「価値」があって国民に自覚と誇りをもたせている、という話は、
それ自体本当はどうか分かりませんし、
(日本国憲法が政治家のみなさんに自覚と誇りをもたせていることには賛否あるでしょう)
何より、この内容は、憲法の本質ではないと言わざるを得ません


国民同士の権利侵害に対して間接的に規律を与えている、というのは、
完全な間違いじゃないですけど、
憲法の例外的な一側面を説明しているだけであって、
これまた憲法の本質ではないと言わざるを得ません


「乱用されることのないよう抑制する」 「権利と自由を保障する」という本質的な話は、
これらの本質ではない2つの話に挟まれて、なんだかおまけのような扱いです。
結局、どのような「憲法」に基づくことを立憲主義というのはよく分からないですよね。


なんじゃこりゃ!???
と思ったのでした。




そういえば、自民党改憲草案の起草委員の方で
「立憲主義なんてそんな学説なかった」と豪語された方がいましたね
ツイッターの世界では、10代に論破された方として有名ですが
国会では、法的安定性は要らないと、自己否定をされた方として有名ですね
そうか、きっとこの教科書を作った方も、同じように、学説がなかった時期の方なんですかね?




話は変わりますが、
このイクホウシャの教科書
安倍さんがよく登場することで有名なんですって。
何回だと思いますか!?
なんと12回!(安倍政権関係だと15回ともいえる)
20ページに1回、安倍さんが出てくるんですよね!


そりゃ、みんなに使ってほしいわけだ(笑)


この写真の数について、
自民党草案によれば「元首」であるはずの天皇よりも写真が多いなんてけしからん、という指摘があったとか(笑)


いずれにせよ、むむっ? って感じです。