2014年5月2日金曜日

解釈改憲は「政府方針」? なにそれ公明党の意見も無視ですか



集団的自衛権「政府方針」に明記 首相、意向固めるhttp://www.asahi.com/articles/ASG517SG4G51UTFK018.html?iref=comtop_list_pol_n03


 報道によると、安倍首相は、集団的自衛権の行使容認を、
憲法解釈変更の見解をまとめる「政府方針」に明記する方針
を固めたとのことです。「政府方針」とかいっても、実態は単
なる「首相見解」です。

 安倍政権は、5月中旬に安保法制懇という首相お抱えの
諮問機関から「憲法9条の下でも集団的自衛権の行使は
許される、と憲法解釈を変えるべきです」という報告を受ける
予定です。そして次に、「これまでの憲法の読み方は間違って
いました。憲法9条は戦争放棄を宣言していますが、集団的
自衛権行使名目の戦争は許される、という風に読み方を変え
ます。」と閣議決定する予定です。
 憲法9条を実質的に「意味のない条文」にする、この国の
根幹にかかわる実質的な改憲を、勝手に内閣の「閣議決定」
で「そういうことにしました」と決めるなど、常識では考えられ
ない、許されないことです。

 でもまさに、それがなされようとしている、危機的な状況です。

 上記の報道で、首相がまず、解釈改憲を「政府方針」にした、
ということですが、これは、閣議決定したいという首相と、それ
に反対する公明党との間にかなりの亀裂があることを示唆
しています。「閣議決定」は閣僚の多数決ではなく全会一致
が条件です。しかし公明党は、常識的な見解譲らず、立憲
主義に反する解釈改憲に対し否定的です。なんとしてでも
閣議決定で解釈改憲をしたいという執念で、首相は今この
段階で「政府方針は解釈改憲だ」と勝手に宣言した、という
ことです。そうすることで、自分が公明党と妥協しないことを
強調し、公明党に「解釈改憲に賛成しろ」と暗に迫るつもり
なのでしょう。

 主権者国民の是非を問うことなく、勝手に憲法の読み方を
変えてしまおう(9条の意味を無くそう)と暴走するどころか、
連立を組む公明党の意見もねじ伏せようとする、手段を問わ
ない政権の発想は、どこかの専制国家のようです。
民主主義の国とは、まったくそぐわないものです…。