大・大・大問題すぎる、自民党が「#憲法改正 についてわかりやすく
まとめた特設サイト」。長期政権を担う強大な与党が、憲法のキホン
どころか、「公民」のキホンが分かっていない事実を露呈しています。。。
● 教えて!もやウィン 憲法改正ってなあに?
https://www.jimin.jp/kenpou/manga/second/
<第2話 憲法とは 憲法の役割>
「憲法を定めることで、その時のリーダーの
ルールに従うのではなく リーダーも国民も
みんなが憲法に従う義務があるんだ」
「その時代や暮らしにあわないときは 意見をだしあい、改正が必要か国民投票で判断をする
まさに新陳代謝じゃな」
* * * * * *
日本国憲法のルーツを聖徳太子の十七条憲法に見出しているあたり
からして不安しかありませんでしたが、やはり、根本的な知識を持ち
合わせていないようです。
憲法は、国民が自らの自由・人権を守るために国家権力をしばる
ツールです。ベストセラー『檻の中のライオン』の表現を借りれば、
ライオン(権力)を憲法という名の檻に入れ、その中で権限を行使
させ政治を行ってもらう。憲法学者・志田陽子先生の言葉を借りれば、
権力というパワーをあるべき方向に流す護岸が憲法。
日本国憲法は99条で、権力(と象徴たる天皇)に対し、憲法尊重
擁護義務を負わせています。権力はあくまでも「檻の中でのみ権力を
使い政治を行う」「護岸にうながされた方向にのみパワー(強大な強
制力)を流す」義務を負います。
ちなみに「国民の三大義務だって書いてあるじゃないか」という声
が時々聞こえますが、「国民の義務」は憲法のエッセンスではなく、
国民の義務の定めがなければ憲法ではない、なんてことはありません。
*「国民の三大義務」についてはぜひこちらをお読みください。
教育の義務
→ http://younglawyersfreedom.blogspot.com/2017/02/blog-post_6.html
勤労の義務
納税の義務→ http://younglawyersfreedom.blogspot.com/2017/03/blog-post.html
さて、「憲法とは何か」という話に戻りますが、
自民党はそもそもこれが分かっていないわけです。「リーダーも国民も
みんなが憲法に従う義務がある」なーんて、雑にひとまとめにしている
ところ、決定的です。
国家権力と国民、という本質的に対立構造にあるものを「みんな」
という言葉でわざとごまかしてひとまとめにして、憲法を「大事な法律」
レベルのものだと誤解させようとしてるのかな、と、勘繰りたくなります。
(民法や道路交通法や所得税法など、いわゆる「法律」は国民が守ら
なければならないルールですが、憲法は権力が守らなければならない
ルール。ここが憲法と法律の決定的な違いです。)
しばられたくない、好き勝手やりたい、あわよくば国民をコントロール
したい。
残念ながら、権力を持つとどうしても支配欲・権力欲が生まれてしまう。
それは人類の歴史が証明しています。だからこそ、憲法と民主主義を理解
し、理性と知性を兼ね備えた人に「だけ」権力を託そう、という知恵が
はたらくわけです。
自民党は、首相自ら改憲を強引に引っ張りたい執念をむきだしにしている
事実からも、「憲法に忠実に、主権者に対して謙虚に誠実に政治をしよう」
という意思が無い政党であることが見てとれてしまっています。
第2次安倍政権が発足してすでに7年半以上経っているのに、いまだに
憲法の知識がゼロに近いことは、民主主義にとって脅威です。近代国家の
枠組みを壊そうという挑戦に等しい。
こういう政党に、憲法の改正など、託せるはずがありません。