2020年6月27日土曜日

再稼働を問う住民投票を願う声、県議会で一蹴 



 日本原子力発電東海第二原発(←首都圏にある唯一の原発)再稼働
の賛否を問う県民投票条例案が、茨城県議会で否決されました。
 条例制定を求めて9万人近くの住民が賛同署名したのに、実質審議
たった1日で、門前払いです。
 県民投票条例案は茨城県議会本会議で、過半数を占める「いばらき
自民」などの反対で否決となりました。


● 住民投票案否決 これが民主主義なのか (東京新聞)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/37496?rct=editorial



 審議で相次いだ反対意見は、下記のとおりです。
 「民間企業の行く末を議会が決定することの矛盾や、賠償等の懸念
もある」
 「安全性の検証、避難計画の策定の双方とも終了しておらず、県民
に対して公平で必要な情報を提供できる状況にはない」
 「投票結果は法的拘束力を持たないが、議会や首長の議論に制限を
かけることになる」
 「条例案に投票時期が明示されていないから」


 上記記事に書かれているとおり「いずれも不可解で、条例制定を求め
て署名した九万近い人の願いを門前払いするに足る理由にはなってい」
ません。なぜこんな意味不明な理由で9万人近い住民の願いが一蹴され
なければならないのでしょう?


<一部抜粋> 

 条例制定は、福島同様、東日本大震災で被災した東海第二原発の安全
性に疑問を持ち、避難計画策定の難航に不安を覚えた多くの県民が、
再稼働の可否について、事実上、再稼働に関する同意権を持つ県の判断
に意見を反映させてほしいと、請求したものだ。
 署名を集めた「いばらき原発県民投票の会」は、初めから再稼働に
「賛成せよ」とも「反対せよ」とも言ってはいない。賛否の垣根を
外して広く県民の声を聴き、その声を議論の“鍋”に入れてほしいと、
望んでいるだけなのだ。なぜ、それすら拒むのか。さらに丁寧な説明が
必要だ。


<抜粋終わり>


 「地方自治は民主主義の学校」と、よく言われます。地元の政治は、
そこに生きる住民の住民による住民のための政治であるべきで、国政に
比べてずっと身近な民主主義の場になります(日本国憲法92条、93
条)。
 住民は有権者であり主権者。原発が自分たちの息の根を一瞬で止める
ことはもちろん世界規模で取り返しのつかない事故を起こす危険に満ち
た施設であることは誰の目にも明らかです。その稼働について十分すぎ
る程十分に、地元住民の声を聞いて熟慮を重ねるのは、憲法の要請する
ところです。
 説明にもなっていないようなゴタクを並べて一蹴する県議会は、民主
主義も憲法も、まったく理解できていません。