2020年1月16日木曜日

「保育なんて大して難しいもんじゃない」という勝手な妄想が、女性の自由な人生をジャマします




 タレントのつるの剛士氏がツイッターで、保育士免許取得を
目指すと宣言したものの、まさかの受験資格がないことを知り、
落胆のツイートをした、という報道。

 「5児の父親…ウルトラマン変身の資格…チャギントンお兄さん歴
10年…すくすく子育て司会歴3年…育休取得経験2回…楽器演奏、
歌、絵描き、読み聞かせ、造形、虫捕り、釣り、波乗り、つる農園、
将棋…それでも1991年3月31日以降の高卒者は受験資格がない
のか…orz」


● 5児の父・つるの剛士、保育士受験目指すも…
            まさかの資格なしに愕然 (デイリースポーツ)
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200114-00000042-dal-ent



 彼がツイートで挙げている、「5児の父親」「ウルトラマン変身の
資格」「すくすく子育て司会歴3年」などなど
…つるの氏が保育士という職業をいかに甘く見ているか、愕然とします。


 「多少育児の経験がある親(自分)なら保育士の素地は身についてるはず」
という甘い見立てが浮き彫りですが、これはプロフェッショナルへの侮辱
でしかなく、憤りを感じます。政治を動かす側の意識がまさにこのつるの
氏の感覚と同じだからこそ、いつまで経っても保育士の待遇が改善しない
のでしょう。

 こういう感覚は、そのまんま「育児など片手間でできる、大して難しい
もんじゃない」という勝手な妄想と直結しています。
 政治を動かす側の意識がまさにこのつるの氏の感覚と同じだからこそ、
育児に追い詰められる親への支援行政が後回しにされ、保育士の労働条件
が改善されず、保育園も増えない。「育児は母親がするもの」という意識
と相まって、結局、日本中の母親が求めるものにはぜったいにお金がまわ
らない。
 税金は「桜を見る会」、自衛隊派遣、辺野古の基地建設に使われる…
わけです。


 保育士が不足しているのは、保育士の資格取得が難しいからではあり
ません。
 保育士の待遇がひどすぎて、生活していけないからです。
 保育士の資格取得要件を緩和して「誰でもすぐに保育士になれる」
ようにしたところでただただ子どもの事故が増えて保育環境が悪化する
だけです。
 保育士の待遇を改善して、十分生活していける水準に上げること。
「保育士の資格を持っているけれども保育士としては働いていない」人
を、保育園に呼び戻す方法は、この一択です。


 女性が男性並みに自由に生きられる社会を実現するためには、保育園
の充実が必須です。これは、保育園に子どもを預けて働きたい女性に
とっても、保育士として働きたい女性にとっても必須。
 そのためには、上にも書きましたが、「育児は女性がするもの」
「育児も保育も難しいもんじゃない」という男性の勝手な思い込みを
根絶することが必要です。

<あすわかtwitter>
https://twitter.com/asuno_jiyuu/status/1217335778851770368