2019年8月5日月曜日

「日本人の心」「国の名誉」で表現がつぶされる社会


日本国憲法 第21条 

 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、 これを保障する。 

② 検閲は、これをしてはならない。 通信の秘密は、これを侵してはならない。



 私たちには表現の自由が保障されています。
 「国の名誉」?
 「日本人の心」?

  誰も確かめたこともない、謎なものを理由に権力が国民の
表現の自由を奪うことは許されません。

 ちなみに、自民党は改憲草案で21条に
「前項の規定にかかわらず、 公益及び公の秩序を害することを目的
とした活動を行い、 並びにそれを目的として結社をすることは、
認められない。」
 と書き加えています。

 公益。
 公の秩序。
 正直言って、分かりませんよね、定義なんて。

 どちらも国民には掴みどころがなく、行政(警察)の胸三寸な概念です。


 だからこんなものが書き込まれれば、私たちは必ず
「この作品って公益を害するのかな💦?何かあったらヤだから、
やめとこっか」
「これって秩序とかにひっかかるのかな(*_*;)?…心配だから
今回はしないでおこう」
と委縮します。
 
 改憲草案を見ると分かるのは、自民党は、権力や警察が「そんな
表現は国益を害する!」と叫べば言論や芸術作品が封じられる社会
を理想としている、ということです。
 そうやって、誰も何も言わない、誰も何も議論できない社会を
作るのが、目的です。
 
 あいちトリエンナーレの展示が名古屋市長の恫喝とテロ予告など
の攻撃で中止に追い込まれる社会は、その社会に間違いなく近づ
いています。