2019年8月9日金曜日

菅官房長官、自分の発言の影響「まったくない」← ごう慢…というか無意味…


 あいちトリエンナーレ2019の企画展「表現の不自由展・その後」
が開催から3日で中止に追い込まれました。

 文化庁はあいちトリエンナーレ2019に約7800万円の補助金
交付を採択していますが、まだ交付はされていません。
 これについて菅官房長官は8月2日、「交付の決定に当たっては
事実関係を確認、精査した上で適切に対応したい」と発言しました。

 この発言は、河村市長が「どう考えても日本人の心を踏みにじる
ものだ。即刻中止していただきたい」と表現への介入発言をしたり、
自民党議員有志が「『芸術』や『表現の自由』を掲げた事実上の政治
プロパガンダであり、公金を投じて行われるべきではない。国や関係
自治体に速やかに適切な対応を求める」と意見表明したりした流れで
出てきたものです。
 この流れの果てにテロ予告があり、展示は中止追い込まれました。


 この事実経過を知りながら、菅房長官は自身の発言が主催者の展示
中止の判断に影響した可能性は「全くない」と否定した、とのこと。


● 政府、「検閲」批判に反論=少女像展示中止が波紋 (時事)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019080500933&g=pol&fbclid=IwAR0D8cstvxwG_a8ISZVQNT--uJQmD6VWDLl8kyMW46S2r-y3kol04s9W360


 上記の事実経過を前に、よく言えるなぁと思ってしまいます。

 ある発言が、受け手の判断に影響したかどうか、発言者本人が
分かるわけない。
 たとえ中止の判断をした人自身が「菅官房長官の発言の影響は
受けていない」と言ったところで、国家権力の中枢にいる菅官房
長官の発言が企画展への抗議・非難・中傷を加速させた可能性は
決してゼロではありません。
 そのバッシングの嵐が最終的にテロ予告や脅迫まで生み出して
しまったのですから、自分の発言の影響がゼロでないことは確か
です。

 なのに、「影響した可能性は全くない」と言い切るのは、
ごう慢といわざるをえません。というか、無意味です。
 セクハラ加害者が「あれはセクハラではない」と言っても
無意味なのと似ています。