2016年3月14日月曜日

緊急事態条項「叫ぶことにしました。」フェス 岡田憲治先生のコメント☆



 「この夏の民主主義をどう生きるか」
 これまでリベラルサイドが語りかける対象は同じキャンプの人間だった。
自分たちの考えを確認し合う内輪のやりとりだった。そうではなく、声の
届くところはもっと遠くにも、もっと近くにもあるだろう、と。デモクラシーとは
なにか、結局のところそれは「どうやって友達を作るか」にたどり着く。
この場に集まった人たちには、緊急事態条項の危険性についての認識が、
もうある。問題なのは、真面目に、100%善意でもって「緊急事態なんだから
みんなガマンして、協力しなきゃいけないんじゃないですか」と考える人。
安保法制についても、「いや、だって平和を守るためには自衛隊を活用
できなきゃならないでしょ、自衛隊を活用できないのが憲法のせいなら
憲法を変えなきゃいけないでしょ、家族を大事にし共を大事にしご先祖様を
大事にしなきゃいけないよね。」と悪意なく考える人相当な数いる。
そういう人達に届く言葉が、今まであまり考えられずにいたのではないか。
僕たちは最悪の事態を避けるためにあんまり好...きじゃないかもしれない人
とも友達にならなければならない。大人の社会技法としてのデモクラシーと
いうのは、好きな人とばかり付き合わないということ。




 昔、『デートもできない警職法』という言葉が、市民に相当な影響を与えた。
人々の日常の目線に響くような言葉で語らなければならない。
食べる、遊ぶ、恋愛する…広義のエロスにかかわることに触れてくるもの
があれば、「それはヤバいんじゃないか」とくる。ブリリアントに、そこそこ
品良く、人々に広めやすく、あっという間に1000ツイートしてもらえるような
言葉。プロの力も借りるべき。サヨクはもともとそういうのがニガテ。
アプローチする方法を柔軟に考えるべき、という点において、あすわかは
よく考えている。

  
 国家がビルディングだとすれば、憲法はそのビルディングの設計図。
弁護士は人間の最低限の尊厳を守る設計図があるんだということを
現場の経験から訴えることができる。一方で、政治学はどう見るか。
非常に危うい設計図が見せられている中で、これをビルディングに
しようとしている大工は誰なのか。それは安倍さん。安倍さんは、
どういうビルディングを作るのか理想なのかというよりも、昔じいさんが
作れなかった家を建てるんだと言っている。その気持ちは分からない
わけでもないけれどもそこに誰が住むのかといったら我々。
そういう形でもって、立法者の役割がある一方で、どういう大工を選び
どういう工法を選ぶという政治的諸条件を考えるのが政治学者の役割。
だとするとビルディング・設計図・大工という図式の中で、有権者が
それぞれ自分たちが何をするのか自分たちの胸に問いかけて、協力し
合うことが大事。