2014年8月15日金曜日

【あすわかのパブコメをご紹介します☆~その3-③「運用基準案-適性評価」編】

  特定秘密保護法の施行に向けて、3つのパブコメ(意見公募)が始まっています。

  詳しくはこちらっ↓

http://www.asuno-jiyuu.com/2014/07/blog-post_25.html?m=1

 今日ご紹介するあすわかのパブコメは,運用基準案のうちの「Ⅳ適性評価」についてです。

 あすわかのみんなで超訳本を書いたときから思ってたんですけど、元の法律では、大臣は適性評価の対象外だし、愛人(同居してない場合)も対象外なんですよね。大臣の愛人が一番危ないに決まってるじゃないですか。でも、もともと欠陥がある法律だから、どんなに精緻な適性評価の手続を定めても、大臣の愛人からの情報漏えいは防げないわけです。

 つ・ま・り、この法律では、適性評価と称して、秘密を扱う人のプライバシーを丸裸にして、国が監視して、秘密が漏れるのを防ごうとしているんですけど、目的を達成するための手段がザルのようなもので、効果がないんですよね。意味のない法律を定めてどうするんでしょう。

 以下のパブコメ案を読んで「ん~~、やっぱりおかしいな」って思っていただけたら,是非その思いを政府に直接ぶつけちゃって下さい!

 パブコメのサイトから書き込む場合は2000字の制限がありますので、2000字におさめてあります。

 それでは、どうぞー(^^)

 

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第1 総論

 1 私は、この運用基準案に反対です。特定秘密保護法は憲法や国連自由権規約に違反する法律であって、運用基準案でどのように詳しい手続を定めたとしても、その問題が解消されていないからです。

   特に、適性評価の点では、特定秘密保護法は、憲法に定める思想信条の自由、プライバシー権などを侵害しています。運用基準では思想信条、政治活動、労働組合活動について調査することは慎むようなことが書かれていますが(1(4))、運用基準で禁止されていても、それに反したところでなんの処罰も懲戒処分もないので、守られないおそれがあります。違反行為について何の歯止めにもならない運用基準であり、定めることに意味はなく、むしろ法律を廃止する方が適切とさえ考えられます。

 2 適性評価で一番問題なのは、大臣等、適性評価の対象外とされている人たちへ色仕掛けで秘密を盗むこと(ハニートラップ)が全くカバーされていないということです。秘密を守ろうという目的と手段が全く対応していません。

 3 適性評価では、どんな調査をしたかは分かりませんし、知らされることもありません。プライバシーについて、間違ったことを把握されるかもしれませんが、間違っているかどうかを確認する方法はありませんし、間違っているものを訂正する手段もありません。

   また、同意不同意に関わらず、プライバシー情報の保存期間が書かれておらず、ずっとプライバシー情報を保有し続けることができます。これは、憲法の定めるプライバシー権を侵害するものであって、違憲な運用基準というべきです。

第2 同意・人事について

 1 まるで自由な同意・不同意の判断ができることが前提となっていますが、同意しないときには、組織の中でどう扱われてしまうかという恐怖感があり、その下で事実上同意が強制される可能性が高いです。

 2 運用基準では不同意書面を出すこととなっていますが(4(3))、法律では同意しか要求されていません。不同意書を出させることは法律に根拠のないことであり違法です。

   また、不同意書(別添3)には、「特定秘密の取り扱いの業務が予定されないポストに配置換えになること等があることについても理解しています」という記載があり、不利益処分を容認する以外の選択肢がない書式となっていて不当です。

 3 そもそも評価担当者をだれがどうやって評価するかについても定めがありません。評価担当者がテロ組織とつながっていたら、適切な適性評価はできません。

第3 質問票(別添5)

   犯罪及び懲戒の経歴(質問票4(1))について、既に処罰が終わって償ったものについて申告させるという点に問題があります。処罰を受け、更生しているのであれば、書かせる必要は全くありません。しかも、犯罪行為の動機まで書かせるというのは、思想信条の侵害であり、プライバシーの過剰な取得です。

第4 公務所等への照会(5()

 1 医療機関に対して個人の医療情報の照会を行うことは、医師に対して守秘義務違反の情報提供を強要することとなります。医師が患者からの相談内容を調査担当者に話してしまうと思うと、患者が医師に何でも相談できるという関係が維持できなくなります。そうすると、そのようなことを恐れて通院することを控えたり、本当のことを言えなくなったりして、きちんとした治療が受けられず、不利益となります。

 2 通信事業者に対して照会する場合、通信内容の報告をさせることも考えられますが、これは憲法21条の定める通信の秘密を侵害する行為です。令状が必要な通信傍受と違い、適性評価の場合、同意があるからといってなんでもやってしまう恐れがあります。

 3 調査書で家族や関係者の住所氏名を報告させることになっていて、これくらいならプライバシーの侵害ではないように見えますが、公務所照会として、内閣情報調査室、公安、自衛隊の情報保全隊等に照会を掛け、照会を掛けるという名目で、事前に調査対象者の名簿をこれらの機関に流して事実上調査させるということも考えられます。適性評価のための照会書(別添7)で、家族、関係者の住所氏名を記載して、「把握している情報を提供されたい」として、第三者提供の禁止をすり抜けた上で調査をさせることができてしまいます。そうすると、調査対象者の家族、関係者は、同意していないのにプライバシーを上記機関に把握されてしまいます。

第6 事業者(3(3)ア)

   適合事業者の従業者についての適性評価は、「契約後当該事業者が特定秘密の取扱いの業務を行うことが見込まれることとなった後に実施する」とされており、契約を締結するために適性評価に進んで応じざるを得なくなっていて、事実上、適性評価を拒むことができず、同意が強制されています。強制された同意によるプライバシーの取得は、プライバシー権の侵害に当たり許されず、憲法13条に反します。

以上