2021年4月20日火曜日

高齢者の命より五輪開催 ギョっとする社説

 

 ギョっとするような社説があったのでご紹介します。。。


● 【主張】五輪選手の接種 安全開催に国民は理解を (産経) https://www.sankei.com/column/news/210419/clm2104190002-n1.html




<一部抜粋>

 死亡リスクの高い高齢者より、選手を優先させることには、批判も

あるだろう。だが、コロナ禍収束後の社会を見据えれば、東京五輪

開催の意味は大きい。大会の運営ノウハウは、スポーツイベントに

かぎらず今後の社会、経済活動の新たな指標になるはずだ。

 (中略)

 政府や組織委は、選手の優先接種が反対論をあおらぬよう情報発信

に努めるべきだ。スポーツ界も罪悪感を持つ必要はなく、胸を張って

ほしい。東京五輪・パラリンピックは世界にとって、十分に意味のある

大会だからだ。

<抜粋終わり>


 端的に「命よりお金」という価値観が溢れています…。

 死亡リスクの高い高齢者と選手を両天秤にかける、優生思想にもつな

がるような書き方には、軽蔑すら覚えます。(こういう「両天秤」に

持ち出される選手にも非常に失礼な話です。選手のために開催してあげる

べきだ、という論調は非常に恩着せがましく、もはや純然たる興行イベン

トである五輪を神聖で尊いものかのようにカモフラージュする道具として

選手を利用するのは、正直いって卑怯でしょう。)

 

 自国民の命や生活よりも優先すべき五輪の「意味」とはなんでしょう?

「意味のある大会だから」と書きながら、どこにも意味の説明がない、

奇妙な、なんの説得力も無い社説です。都知事が「東京に来ないで下さい」

と叫び、自国民への自粛を呼びかけ、他方で五輪は何がなんでも開催する

といい、世界中から万単位の関係者を呼び込むという、支離滅裂な対応に、

納得できる人がいるでしょうか。「自分たちは、真摯に国民を思う政治家

に守られている」と感じられるでしょうか。

 権力を監視し、科学と論理に基づいて批判すべきマスメディアの発信

すべきもののとして、あるまじき記事です。