永年労働省でキャリアを積み、文部大臣も務めた赤松良子さんの
インタビュー記事です。(赤松さんといえば労働省(現厚生労働省)
婦人少年局長として男女雇用均等法の制定に中心的に関わったことで
知られています。)いまだに女性蔑視発言が止まず、女性議員が少な
いこの国の構造について、厳しく批判しています。
● ホウキに乗って飛んでいきたい「女は口を出すな」を変える (毎日)
<一部抜粋>
森さんは世の中のおじさまたちの意見を代弁したんですよ。森さん
だけが特別変なわけじゃないんです。男が聞いても「なんでもない、
うん、そうだ、そうだ」と思うことでも女が聞けば頭にくるということ
があるっていうことなんです。女性の発言がもっと増えるように、
ものを決める場所、意見を言う場所に女性が入ってほしいと思うのは
そのためです。
「わきまえておられる」という言葉も古いセンスですね。おひな様
みたいにわきまえて、ああいうふうに黙って並んでいろということな
んです。そういう言葉が平気で出てくる。女を軽蔑しているから、
話を聞かない。女の言うことなんて聞いたってしょうがないと思って
いるからなんですよ。
<抜粋終わり>
そう、森喜朗氏だけの問題ではなく、森喜朗氏があの発言をしたとき、
「誰も止めなかった」ことの方がよりゾっとする事実です。だれも問題
と思わない、問題と思っても止めようとは思わない。いかに「ものいう
女性」「行動する女性」を敵視している男性が少なくないか、改めて
知ることとなりました。
<一部抜粋>
人口は男と女とほぼ半々なのです。だから、物事を決める、意思決定
の場もフィフティーフィフティーであることが望ましい姿だと思います。
別にたいした理屈ではありません。決めるところは、社会の構成メンバ
ーと同じ比率であってほしいという簡単な話なんです。
女の意思が1割しか反映しなければ、9割の男の政策が反映するのは
当然です。そのことで女性は割を食っている。それを変えようと思えば
「9対1」を変えるしかありません。「5対5」にするしかありません。
<抜粋終わり>
女性議員が少ないのは、「女性に意欲・能力が無い」からではないこと
くらい、最低限の常識がある人にはわかっていることです。女性の出馬
を阻むさまざまな事情・障壁を取り除く努力を、行政も、各政党も、
積み重ねる必要があります。選挙が多い年ですので、各政党がどんな
努力をしているか、チェック・確認しましょう。女性議員を増やすこと
は、性差別の解消はもちろん、民主主義のレベルアップにも直結します。