2020年8月15日土曜日

全国戦没者追悼式 安倍首相の式辞



 今日の、政府主催の全国戦没者追悼式での安倍首相の式辞です。


● 全国戦没者追悼式 安倍首相の式辞全文 (毎日)
 
https://mainichi.jp/articles/20200815/k00/00m/010/074000c


<一部抜粋>

 今日、私たちが享受している平和と繁栄は、戦没者の皆様の尊い犠牲の上
に築かれたものであることを、終戦から75年を迎えた今も、私たちは決して
忘れません。改めて、衷心より、敬意と感謝の念をささげます。
 いまだ帰還を果たされていない多くのご遺骨のことも、決して忘れません。
一日も早くふるさとにお迎えできるよう、国の責務として全力を尽くして
まいります。
 戦後75年、我が国は、一貫して、平和を重んじる国として、歩みを進めて
まいりました。世界をより良い場とするため、力の限りを尽くしてまいりまし
た。
 戦争の惨禍を、二度と繰り返さない。この決然たる誓いをこれからも貫いて
まいります。我が国は、積極的平和主義の旗の下、国際社会と手を携えながら
、世界が直面しているさまざまな課題の解決に、これまで以上に役割を果たす
決意です。


<抜粋終わり>  


 先だってのFB記事でも書きましたが、「尊い犠牲」あっての平和と繁栄だ
、という表現は危うさを感じます…。

 どんなに怖くて、無念な思いで死んでいったか、思わずにはいられません。
 これは首相、つまり権力側の式辞です。
 首相が、当時の政治権力に侵略のための消耗品のように扱われた方々を追悼
する時に出てくるべき言葉は、まずは謝罪なのでは。命も人権もこっぱみじん
にした側が、「尊い犠牲」に「敬意と感謝」だけ述べても、「誰一人として
政治の犠牲になんかしてはいけない」という決意があるのか明瞭ではなく不安
になります。

 戦争へと暴走した政治の責任について言及がないのは、とても残念です。
 二度と繰り返さないためには、あの戦争が「なぜ起きたのか」「なぜ誰も
止められなかったのか」の検証が不可欠なのに。

 核兵器禁止条約への言及もなければ、反戦平和への具体的な取り組みも正直
見当たりません。
 「戦争の惨禍を、二度と繰り返さない。この決然たる誓いをこれからも貫い
てまいります。」という言葉にふさわしい行動がなく、決意への疑念は否めま
せん。