2018年1月15日月曜日

夫婦別姓が家族を崩壊させる!?え、男系天皇制のための夫婦同姓!?


 結婚による改姓で、自分が自分でなくなるような喪失感や
アイデンティティを否定されたような苦しみを感じる人
(事実上ほとんど女性)がいます。

 民法の規定が形式的には「どちらの姓に変えてもOK」であっても、
根強い家制度の名残りで95%以上の夫婦が夫の姓に統一している
現実は、女性に「フツウは結婚したら姓を変えるものだろ」と迫り
ます。
 民法の規定は、女性ばかりがこうした苦しみを引き受ける差別的な
現状を放置、あるいは助長する装置として機能してしまっています。

 (今の民法750条は違憲無効で)結婚しても姓を変えないという
選択肢を認めてほしい、という裁判はまぎれもなく女性の尊厳・人権
の回復のための裁判でした。選択的夫婦別姓を認めることで誰かの
人権が侵害される、というような「被害」もありません。

 安倍政権はじめ自民党、その背後の日本会議などは「夫婦別姓は
日本の伝統的家族を崩壊させる」という理由で強く反対しています。
「日本の伝統的な家族」の定義すら分かりませんが、日本で結婚した
ら夫の姓に変える制度が始まったのは明治31年です。明治31年に
明治政府が家父長制(家制度)を徹底させるために人工的に作った
制度を、「これぞ日本の伝統的家族」と大事すぎる文化かのように
意味付ける点、なかなか納得できません。

 「夫婦別姓は日本の伝統的家族を崩壊させる」という主張の根拠
も謎です。同姓が強制されている現在でも家族間の殺人やいがみ合い
は起きてますよね…?
 そんな、かたくなに夫婦別姓を許さない理由は、なんと、、、
男系の天皇制を守り女性天皇を認めたくないから(そのきっかけに
なりうる選択的夫婦別姓も許さない)、だそうです。
                             ↓
 ぜひ、この山崎雅弘氏のツイートと、添付されている椛島氏の論考
をお読みください。
 「『日本会議』(集英社新書)でも書いたが、安倍首相や日本会議
系人士がなぜあれほど「夫婦別姓」を拒絶するかについては、日本会
議事務総長の椛島有三氏が内輪の機関誌で理由を告白している。夫婦
別姓で男女同価値、男女同権を認めることで、女性天皇や女系天皇の
容認論に繋がるのがこわいのだという。」
 https://twitter.com/mas__yamazaki/status/951723538955698177


 すごいですよね、今の民法の規定が女性に差別的に機能していること
を認めた上で、「(天皇制を守るために)それでいいんだ」と居直って
いるわけですから…(-_-;)。


 打越さく良弁護士が、選択的夫婦別姓を求めて争った裁判を振り返って
語るこの記事も、ぜひお読みください。
●「選択的夫婦別姓」は なぜ今もって認められないのか? 別姓訴訟と24条」
 http://www.magazine9.jp/article/think24/29854/