2015年5月4日月曜日

自民党憲法マンガ ツッコミ入れずにはいられないネシリーズ①

 

先日、自民党さんは
憲法マンガ「ほのぼの一家の憲法改正ってなぁに?」の
制作発表記者会見を行いました。



全64頁の大作!このマンガは、憲法改正の必要性や
憲法改正によって社会がどう変わるのかなどについて
理解が深まっていくストーリーなのだそうです。

そうなのか~と思って読み進めていくと、「ちょっと
待ってちょっと待って」とツッコミどころ満載(>_<)

とゆーことで~~、今日から連載でツッコミ入れて
いきます(ビシッ)!入れずにはいられない!

 

まず、このマンガは今の憲法の「古さ」を強調します。

憲法が約70年前にできたことから、登場人物が
「ケータイもネットもなかった時代の憲法で今の
社会についてこれるのかしら?」とつぶやいています
(「江戸時代ですかっ!?」なんて合いの手まであり
ます)。そして、「現行憲法が今の時代とかけ離れて
いる」と断言して、ほのぼの家を不安がらせています。


でも「ちょ、ちょっと待って」!


憲法は国のあり方を定める根本法なので、簡単に変え
られると困るんですね。だから、憲法は一般の法律
よりも改正要件が厳しくなっています(これを「硬性
憲法」っていいます)。


それだけに、憲法は時代の変化にも合わせられるよう、
フトコロ深~く作られています。憲法13条で幸福追求
権が定められていますが、約70年前には考えられて
いなかった新しい人権は、この13条で保障されると
考えられています。プライバシーの権利なんかはその
典型ですね。

環境権だって、13条で保障されるという考え方もあり
ます。漫画の中に「環境問題についても書かれてない
なんて今の憲法ってエコじゃないのね!!」ってセリフ
がありますが、決してそんなことはないのです。


もちろん、環境権について明記しているわけではないので、
はっきり書き込んだ方がいいという考え方もあるかもしれ
ません。じゃあ、当の自民党はどう考えているかというと、
4月29日の記事に書いたとおり、環境権について定める
気はないようです。


マンガに書いてしまうほど「環境問題は大事だよなぁ」
って本気で思っているのであれば、今の憲法を改正しな
くても十分環境問題に取り組めますよ、自民党さん!

 

あと、約70年前にできた日本国憲法が、実は世界の
最先端をいく憲法だってこと、皆さんご存じですか?


3年前の憲法記念日、「日本国憲法今も最先端 米法学者
ら188カ国を分析」という記事が朝日新聞に掲載され
ました。この記事によると、日本国憲法は、世界で主流に
なった人権の上位19項目までをすべて満たす先進ぶり
とのこと。分析した米法学者は、「65年も前に画期的な
人権の先取りをした、とてもユニークな憲法といえる」と
話しています。米国の法学者から最先端と褒められる日本国
憲法、もっと誇りに思ってもいいのではないでしょうか(*^_^*)


ただ、この記事は一方で、「憲法の内容が、現実の政治に
どれほど反映しているかは別問題」だとして、日本は女性の
社会進出がほかの先進国と比べて鈍いことや、9条の「解釈
改憲」が重ねられて自衛隊の創設や海外派遣などの政策が
積み上げられてきたことを取り上げています。
(政治家が憲法のセンスについていけてないってことですね!)


憲法の古さを問題にするより、最先端の内容を備えた憲法に
ついて行けていない現実の政治の「古さ」を問題にすべきで
はないでしょうか、ね、自民党さん!

 

…と、憲法の「古さ」、というテーマだけでずいぶん長く
ツッコミ入れてしまいましたので、続きはまた明日!