2014年2月27日木曜日

特定秘密保護法 萎縮効果を狙ってますが、それが何か?


 昨年12月6日、特定秘密保護法が成立してしまいました。
 12月13日に公布され、1年以内の施行が予定されています。
 * ワンポイント法律知識 *
 公布:「こういう法律作ったよー」と発表すること
 施行:実際にその法律が力を持って動き出すこと。



 何もなければあと10か月も経たないうちに、「現代の治安
維持法」ともいうべき希代の悪法が動き出してしまいます。
法律の廃止に向けて、各方面が活発な活動を展開している
ので、ぜひ、皆さまも関心をお寄せ下さい。


 さて、2月25日付の「しんぶん赤旗」の報道記事は、この
特定秘密保護法がどのような意図で作られたか、の一端を
知る大変貴重な報道です↓
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-02-25/2014022501_01_1.html
 


 情報公開請求でゲットした文書によると、
 秘密保護法制の考え方をまとめた政府の有識者会議報告
書が、『秘密を取り扱う者に緊張感を与える』ことを罰則の
目的の1つとして記しています。刑罰で人を威嚇させる文言が、
有識者会議の最終盤で突如、法務省の反対を押しきって書き
込まれていたことが判明しました。


 法務省は事前に反対していたのです。
「緊張感を与えることを目的に刑罰を規定するなんて!」と。
 その理由は、
「(刑罰は)一般的に違反行為に対して刑罰をもって臨むことが
行政の円滑な実現及び秩序維持に必要不可欠と認められる
場合に設けられる」
「必要性の有無を離れて罰則が特別秘密を取り扱う者の意識
向上のために設けられるものであるとの誤解を与える」
 


 要するに、
 「秘密を取り扱う者に緊張感を与える」って、別に機密漏えい
なんて全く懸念されるような場面じゃなくても、およそ「秘密を取り
扱う者」に、何かあったら刑罰を科されてしまうと常にビクビクさせ
ること自体が法制の目的であると報告書は公言しているわけです。
つまり「萎縮効果を生じさせる目的だよ、それが何か?」と言って
いるのです。


 いやいや、刑罰ってそういうものじゃないでしょ、萎縮効果を
生じさせることが目的なんておかしいでしょ、と法務省は反対した
のです。近代刑法がある国の役人として、当然の反応です。


 でも報告書は法務省の反対を無視して、そのまま最終報告書に
盛り込みました。

 つまり(というほどでもないのですが)、
特定秘密保護法の刑罰規定は、ほんっとうに、

① 特定秘密を漏洩したり近づいたり近づきたいなーと思ったり
する人を厳罰に処すためのものでもあるし、

② 実際に特定秘密を取り扱う人が常にビクビクして「この行為も
罰せられるのかな」「処罰されたくないし、よく分かんないけど
念のため動かないようにしよう」「念のため」「念のため」…と萎縮
することを狙ったものでもある、ということです。


 このような、近代・現代の法治国家として当然の観点からの
懸念を無視して強行突破されることが、安倍政権の運営では
あちこちにみられるなあと思います。
 
 あきらめず、おかしいと思うことはおかしいと、声をあげ続けて
いきましょうね!