2013年12月6日金曜日

「特定秘密保護法の強行採決に強く抗議して、さっそく廃止へアクション起こそうよ!」声明

「特定秘密保護法の強行採決に強く抗議して、
              さっそく廃止へアクション起こそうよ!」声明
~諦めないことと希望を持つことが何よりも大事!~



  本日、参議院本会議にて特定秘密保護法が強行採決され、
可決成立してしまいました。
  私たち「明日の自由を守る若手弁護士の会」は、民主主義と
立憲主義を擁護する法律家団体として、これからも、特定秘密
保護法の廃止を強く求めます。


● 作って欲しいなど誰も言ってないのに勝手に作られたのです
  この法律が民主主義や立憲主義の原理と本質的に相容れない
もので、その成立が実質的な改憲に等しいことは、すでに皆さんも
ご存知の通りです。世論調査・パブリックコメント・公聴会、そのすべ
てが、国民がこんな強行採決など求めていないことを示しました。
あらゆる学者・芸術家、さらには国際社会からも異例なほど同法案
への批判が相次ぎました。それにもかかわらず、理不尽な議事運営
を繰り返したあげく同法を強行に成立させた政府与党の姿勢が、
治安維持法に例えられる同法案と共に、戦後憲政史上最大の汚点
となったことは間違いありません。 


● 皆さんの声は、確実に政府与党を動揺させました。
  しかし、政府与党の前代未聞の強硬な姿勢は同時に、誠実な
審議では負けるという自覚の裏返しでした。制定過程を秘密にし、
パブコメ募集を短期間で終わらせ、通常国会ではなく時間の限ら
れた臨時国会に提出し、会期を一日も延長しなかったのは、反対
世論の高まりを恐れたからに他なりません。
    全国で批判の世論は急速に広がり、国民の皆さんがいまだ
かつてない規模で結集して起こしたアクションは、確実に賛成議員
達に動揺を与えました。このことは、この国で生きる人々に宿る
「主権者としての力」がなおも確かなものであることを強く感じさせ
るものです。


● まだ終わってはいないのです。まだまだ起こせるアクションが
あるのです。
  皆さんには、まだできることがたくさんあります。
  例えば、皆さんは、同法の廃止法や施行を延期する法律を
制定するよう国会に請願したり、議員に要請することができます。
  同法を死文化させるために、情報公開を強化する法律や、
国会や裁判所などの監視監督権限を強化する法律の制定を
求めることもできます。
  あるいはツワネ原則などの国際標準に合わせるよう法改正
を求めることもできるのです。国会の解散を求めてもいいでしょう。
  自分の住む市町村議会や都道府県議会にこのような国会へ
のアクションを起こすように要請をすることもできます。
  裁判で争うこともできます。積極的な情報公開請求を行い、
特定秘密を理由とした非開示がなされたならば、公開を求める
裁判の中で、同法の違憲性を主張することができます。
  万が一にも同法違反を理由として逮捕されてしまったならば、
刑事手続のあらゆる段階で同法の違憲無効と無罪を主張して、
裁判所に判断を求めていけるのです。


● 諦めずに、希望を持つこと。
  落胆する必要はありません。落胆している余裕はないのです。
むしろここからがこの希代の悪法とのたたかいなのです。落胆や
失望からは何も生まれません。それは民主主義や立憲主義の
否定につながり、政府の描く「戦争できる専制国家へのシナリオ」
を黙認することにもなりかねません。
  この法をおかしいと感じたその感覚と、主権者を愚弄した政府
与党への怒り、そしてその怒りの結集が確実に政府与党を動揺
させたことを決して忘れずに、自信と希望を持って、一人ひとりが
アクションを起こし続けること。それがこの国で誇りを持った人間
として生き続ける上で何よりも大切なことです。そしてそれは、
この国と社会を引き継ぐ子ども達に対する責任でもあります。
子どもの未来を案じる思いを、今回の強行採決に対する怒りや
悔しさを、どうぞ行動する力や共同する力へ変えて下さい。


  「明日の自由を守る若手弁護士の会」は、民主主義・立憲主義
と相容れない特定秘密保護法に強く反対し、民主主義国家にある
まじき強行採決に強く抗議するとともに、法律家団体として同法の
速やかな廃止を求め、民主主義と立憲主義の擁護に全力を尽くし
ます。


2013年12月6日 「明日の自由を守る若手弁護士の会」
 共同代表 神保 大地  共同代表 黒澤 いつき