参議院議員選挙の結果は、改憲の行方を確実に左右します。
ぜひ念頭に置いた上で、投票して下さい。
● 参議院選挙に向け 与野党9党 憲法改正めぐり議論 NHK日曜討論 (NHK)
https://www3.nhk.or.jp/.../20220626/k10013689021000.html
自民党がここ数年特に積極的に提示してきた改憲案は、
下記の①~④です。
①自衛隊を憲法に明記する案
②-1 緊急事態条項の創設
②ー2 緊急事態における国会議員の任期延長
③ 教育環境の整備
④ 合区の解消
それぞれどのような案なのか、どのような問題があるのか、
投票前にぜひ知って下さい。
④ 合区の解消
これは、参議院選挙の選挙区の合区(鳥取+島根という合区と、
高知+徳島という合区)を解消して、都道府県単位の声を反映させよう、
という改憲案です。
…pardon?って人、たくさんいますよねw
参議院選挙では、全国区の比例選挙から50人、都道府県単位の選挙区
から74人の議員が選ばれます。
国民の一票の価値は平等ですから(憲法14条)、各都道府県から選ば
れる議員の数は、人口に比例します。
人口に合わせた議員数、そりゃそうだという話です。
しかし、74議席を人口に合わせて配分していくと、人口の少ない高知
・徳島・鳥取・島根では1議席すら割り当てられない計算になってきて
しまうのです。そのため、この4県については、2県で1つの選挙区
(合区)として、「鳥取+島根から1議席」「高知+徳島から1議席」
にしているわけです。
自民党は、これでは地方の声を反映できないといって、人口が少ない県
からも少なくとも1人ずつ議員を選べるようにしよう、という改憲を提案
しています。長い説明ですみません。
いやしかし…選挙制度の細かい話ですよね。憲法改正なんかせずに、
例えば比例代表制を一本化する策とか、(日本は人口に対して国会議員の
数が少ないので)参議院議員の定員を増やす案もありえます。
しかも、これは「都道府県単位の声を反映させる選挙制度」にするため
に「1票の価値の平等」を捨てる改憲になります。国民一人ひとりの1票
の力に差をつける改憲を、望むような世論は、ありませんよね。
さらにこの改憲案は、二院制の意味を変えるものです。
参議院が「都道府県代表の院」になるので、国家の設計に関わる提案です。
となると国会議員は「全国民の代表(43条)」であり決して「地元の
代表」ではない、という位置づけともズレてくることになるので、
ほんとうに国家の設計にかかわる大議論が必要ですし、まずもって
主権者国民がそれを望まなければ、国会議員だけで勝手に進めていい話
でもありません。そんな改憲、国民がいつ望んだのでしょうか…。
まぁ、なにか思惑が透けて見えますね…。それについてはぜひこのコラム
を読んでみてください🐤
↓
<憲法カフェ ぷち⑥ 法律で対応できちゃう合区問題>
https://www.min-iren.gr.jp/?p=45683