2014年7月25日金曜日

パブコメ ~ 今、私たちにできること ~

  昨年11月から12月にかけて、国会やその周辺ですったもんだした挙句、政府与党によって強行採決されてしまった特定秘密保護法って覚えていらっしゃいますよね?
 あすわかでも「これでわかった!超訳 特定秘密保護法」(岩波書店)を執筆させていただき、3刷1万5000部に達していると聞いております。
 そして、昨日(7/24)から、この特定秘密保護法関連のパブコメが始まっています(3つあります。)。超訳本は、このときのために書いたと言っても過言ではありません。
 「秘密保護法?パブコメ?なにそれ、美味しいの?」という方は、是非、この超訳本をお手に取ってご覧ください。私たちも秘密の保護自体が重要なんだということは分かっていますが、そうは言ってもこの法律はないでしょ、ということなんですよね。

 政府は解釈改憲で違憲なはずの集団的自衛権の行使を容認しましたが...、政府の言う集団的自衛権行使の要件に当てはまるかどうかを判断するときにも、最後には「それは特定秘密ですから言えません。でも、日本の安全のためには戦争が必要なんです、信じてください」ということになってしまいます。そんなに無邪気に信じられないことは、今の政権になってからよーく分かってます。放射能汚染の情報は出てこないし、ダダ漏れの汚染水は完全にコントロールされているということだし、TPPには入らないと言ってたのに、TPPの協議状況がニュースになってるし。最初のときの話はどこいっちゃったの?

 毎日、イスラエル、イラク、ウクライナ等から、悲惨なニュースが飛び込んできます。もし、これらの国々にアメリカが出ていくことになったら、抑止力を高めるなんて言ってる前に、これらの国々に自衛隊が派遣されて、戦争に巻き込まれる恐れがあるんですが。集団的自衛権に賛成する方はいろいろ言うでしょうけど、政府の言ってる要件に当てはまるかどうか自体が、特定秘密保護法で隠されてしまうと、もう何でもアリになる恐れがあるんですよ。白紙委任状と同じで、大変危険なことです。

 諦めるしかないと思いますか?
 いえ、諦めるのはまだ早いです。
 今、私たちにできることは、しっかりパブコメを出していくことです。
 そう、できることは、まだあるんです

 それで、パブコメを出す際の大きな方向性として、いくつか考えられるのですが、
1 元の法律がダメなら、何をやってもダメでしょ
2 元の法律もダメだけど、この施行令も全然ダメじゃん
  例えば、概要の説明とかで限定しているように見えるけど、文言上全然限定できてなくてダメ。
3 てか、そもそも法律を廃止するしかないんじゃね?
・・・というところが考えられます。

 とにかく、みんなでたくさんのパブコメを出して、いろいろ修正しなきゃマズイ、いやこの法律を施行させちゃって本当にいいのか?これを無視していたら、次の選挙でマズイんじゃないかという気持ちになっていただきましょ。

 たくさんシェア、リツイートしていただいて、たくさんパブコメを出していきましょう。
 パブコメの締め切りは8月24日までとなっています。
 
 
①「特定秘密の保護に関する法律施行令(案)」に対する意見募集の実施について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=060072401&Mode=0

 これが、特定秘密保護法を施行するときに細かいことを決める基本的な政令になります。超訳本でいうところの「内閣の作るきまり」ですね。特定秘密に「秘密」って表示する方法、指定期間が満了したときの処理方法、秘密の取り扱い方法、適性評価の実施方法等、形式的なことを決めている条文が多いです。中には、内閣に特定秘密を提供するときには、「容器に入れて鍵をかけて持って行く」(10条)というもののように、想像するとちょっと面白い条文もあります。

②「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準(仮称)(案)」に対する意見募集の実施について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=060072402&Mode=0


 秘密指定、適性評価の運用や、適正確保の仕組みについて細かいやり方をまとめたものです。適性評価の質問票が引くくらい細かいのが印象的です。でも、この質問に正直に答える人ってどれくらいいるのでしょうか。また、愛人の有無は適性評価でカバーされていないので、質問票にも愛人の欄はないんですね。愛人が一番危険ですよね。ハニートラップとかね。

③「内閣府本府組織令の一部を改正する政令(案)」に対する意見募集の実施について(特定秘密保護法関連)

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=060072403&Mode=0

 これは、「独立文書管理監」というポストを作りますよというものです。わざわざ「独立」と付けたところで、同じ役人どうしできちんとチェックできるかという問題があるわけですけれど。参考資料で、各国の制度を比較しているのが興味深いです。
②の28頁以下で、独立文書管理監の制度や権限について触れられているので、それも併せて参照すると分かりやすいですね。ただ、きちんと特定秘密が出てくるのかどうか…。


  なお、情報保全諮問会議のウェブサイトにも資料が載っています
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/jyouhouhozen/
 ただ、全部印刷すると、コピー用紙一束分くらいになります。
 印刷はしました。はい、まだ読んでません。これだけの分量の資料がありながら、諮問会議はまだ2回目。どれだけ議論されているのか疑問です。官僚主導になってしまっているのではないでしょうか。