2017年6月9日金曜日

やや日めくり憲法68条 (国務大臣の任命及び罷免)

1日遅れちゃいました(◎_◎;)

 日本国憲法 68条
  内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。ただし、
 その過半数は、国会議員の中から選ばれなければ
 ならない。
  内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免すること
 ができる。


 内閣の中で、唯一内閣総理大臣だけが、民意の代表者である国会から直接
選ばれます。
 そういう意味では、総理大臣は、民意の反映で選ばれることになります。
  民意を代表して選ばれた総理大臣に政治をゆだねるわけなので、その補佐を
する人は、できるだけ総理大臣と意思疎通がとれていてほしいわけです。
でないと、円滑迅速な政治ができませんからね。
 だから、総理大臣に、自分がやりやすいように大臣を選ばせたわけです。
 総理大臣の政策を実行することができるのは誰なのかを一番適切に判断できる
のは、総理大臣自身ですからね。

 ただし、国会が内閣を監視する必要から、
 大臣の過半数を国会議員から選ばないとダメ、という規定です。
 (同数じゃダメ。イギリスにいたっては過半数でもダメで全員国会議員
というルールらしいです。)

 これも、国会議員にはいない特に専門的な政策を実行したい場合もあるで
しょうから、半数近くまでは国会議員以外からでも大臣を選べるようにして
います。
 できるだけ専門的でスムーズな政治をしてほしいから、選ぶのは総理に
任せるけど、行政権力を監視する(立憲主義の発想ですね)ために国会議員
を過半数入れるからね、ということです。
 総理大臣が自由にクビにできるとはいえ、実際には、大臣罷免(ひめん)
の事例は多くありません。
 むしろ、みなさんが耳にするのは、「更迭」(こうてつ)ですよね?

 要するに、「罷免」というのは、
 天皇が関わるものなので(憲法第七条五号)面倒だし、罷免された人に
とっても不名誉なので、お互いのために総理の意向に従い辞表を出した形に
してもらう(更迭)わけです。
 どっちにしろ、ダメな大臣がいた場合、
その人をやめさせる権限は総理大臣にしかないので
(国会議員であれば除名することも理論的には可能ですが、現実には無理)
ダメな大臣がその地位に居続けた場合、総理大臣の資質・能力、そして任命
責任が問われてしまうわけです。

 そして、それは、総理大臣を選んだ国会の資質・能力の問題になり
究極的には、国会議員を選んだ私たち主権者の問題になるわけです。
 だからこそ、不誠実で職務怠慢な大臣がいた場合、
私たちは、身近にいる(はずの)国会議員に、
 「あんな大臣は、早くやめさせて!」という怒りの声を伝えていく必要が
あるわけです(不断の努力)。