2017年6月27日火曜日

東京都民じゃなくても ちょっと気になる小池都知事の憲法へのまなざし



 東京都民でない方には大して興味の無いことかもしれませんが…
 7月2日は、東京都議会議員選挙があります。

 築地市場を豊洲に移転するのかどうか、とか、お昼のワイドショーなどで
ずーっと報道されていますね。
 「築地ブランドを守る」と言いつつ豊洲に移すって???ちょっと意味が
分からない…みたいなw


 さて、そんな都議選、小池百合子都知事が代表を務める「都民ファースト」と
自民党が競り合ってる!と報じれています。
 そう報道されると、小池百合子都知事と自民党が険悪な関係にあるかのよう
にも思えてしまいますねー。
 …でも、小池都知事、自民党から離党とか除名とか、そういう報道もされて
いないので、まだ自民党員なのかな、って素朴な疑問がわきます。


 あすわか的には、小池都知事がかつて雑誌の対談で、「軍事上、外交上の
判断において、核武装の選択肢は十分ありうる」と発言したのにもドン引き
していますが(雑誌『Voice』PHP研究所、2003年3月号)、
 2011年8月26日の、このツイートは、正直言ってひどいなぁと思うのです。

「本日、サンフランシスコ講和条約発効日である
4月28日を主権回復記念日として祝日とする議員
立法を総務会で承認し、衆議院に提出いたしました。
祝日が多すぎるというなら、借り物の憲法記念日
5月3日を祝日から外します。 #JNSC」


 「借り物」という表現からは、日本国憲法をいわゆる「アメリカからの
押しつけ憲法」かのように認識している態度がうかがえます。
 安倍首相や自民党と同じように、日本国憲法への「蔑視」を読み取らざるを
得ません。
 日本国憲法がどのような過程を経て作られたか、は、あすわかは繰り返し
書いてきましたが、いずれも高度な研究をしないと理解できないものではなく、
ただ単に史実を真正面から見れば、自ずと「GHQが日本の学者たちの案を
参考に作った草案を日本政府が受け取り、多数派の政党がこぞって賛同し、
帝国議会が草案を審議して修正を重ねて多数の賛成を経て制定され、
国民が喝采でもって受け入れた」憲法だということが分かるはずなのです。
それを、どこをどう歪んで解釈すれば「借り物」「押しつけ」と見えるのか…

 こういう、「自分の信じたものしか見たくない」という態度は、いけません
(ツイートにあるように、沖縄を見捨てて4月28日を主権回復の日とか喜ぶ
態度にも通じるものがあります)。


 日本国憲法を「借り物」と軽んじる都知事は、都民の自由・人権・個人の
尊厳などをどのように考えているのかも、不安になります。

 例えば、小池都知事は朝鮮学校への補助金支給を停止したままです。
ずっと東京で生き、東京で暮らしている在日の子どもたちは、小池都知事
のいう「都民ファースト」の「都民」ではない、ということですね… 
どんな国籍の子どもであっても等しく学習権を保障しよう、という気持ちは、
ないようです。
 公立学校での日の丸・君が代の強制も、都知事は決して止めません。

 東京都の事情だから東京都民以外には関係ない、と思う方は少なくない
とは思いますが、首都である東京での選挙は、現政権の暴走を「加速」させ
るか「つまづかせる」か、とても大きく影響します。
 生活に密着する地方自治体の熱は、高くても低くても、少なからず国政へ
影響するものなのです。


 この都知事選に限らず、どこの選挙でも、「イメージ」だけで支持する候補
者を選ぶのは、とても危ういことです。
 ぜひ、「この人は共謀罪や安保には反対したのかな」「この人は憲法改正
についてはどう考えているんだろう」などなど、憲法という視点から候補者を
吟味してはいかがでしょう(^^)/