2017年6月5日月曜日

やや日めくり憲法65条 行政権の帰属

【やや日めくり憲法 65条(行政権の帰属)】
やや日めくり憲法、今日から条文は行政に関するエリアに入ってきました!
 
 日本国憲法65条
  行政権は、内閣に属する。


 民主主義の国家では、強大な国家権力を1つにしておくのではなく、
「立法」「行政」「司法」の3つにバラバラにして、互いに監視し合うことで、
憲法の枠内で政治を行って国民の人権や自由な社会を守れるようにしています。

 法律を作るのは立法権(国会)の仕事、
 裁判をするのは司法権(裁判所)の仕事。
では、行政権は…

 えっと、
 行政権は…なにをするところでしょう?

 行政権の定義、できますか?

 税金を徴収したり…、保育園作ったり…、道路を整備したり…、生活保護の
事務をしたり…いろいろありますよね。
 いろいろありすぎて、説明しづらいですね(>_<)!

 そう、この社会において、行政の仕事は膨大です。
 あれとこれが行政権です、ときれいに定義することは、不可能なのです。
 そこで学問上、行政権は「すべての国家作用のうちから、立法作用と司法
作用を除いた、残りぜんぶ」と定義されています。

 国家権力-(立法+司法)=行政
 ははは、そんな定義でいいのかなって感じもしますが、そうとしか言えませんw
 
 この行政権を統括するのが内閣です。
 とはいっても、公平中立な立場で仕事をしなければならない独立行政委員会
というものがあります。
 人事や、少し司法や警察のような仕事をする、人事院・公正取引委員会・国家
公安委員会などです。
 こうした独立行政委員会が、内閣から「独立」してるのは、憲法65条に違反
してるのではっ?という疑問がわくかもしれません。 

 この65条は、「内閣が行政権を独占する」とまでは言っていないことが
ポイントです。
 どちらかというと、65条が強調したいのは「法律を作るのは国会、法律を
執行するのは内閣」という点です。
 独立行政委員会の予算も、結局は内閣が作成して国会が可決したものなので、
予算の面でコントロールできている、とも言えますし、法律上一定の条件で内閣
以外の機関に行政をゆだねることも許される、と考えてよさそうです。

 これでもかっていうくらい短い条文ですが、いろいろ考えなければならない
ポイントが、ないわけではないのです。