2017年3月2日木曜日

やや日めくり憲法32条 裁判を受ける権利


「3」月「2」日ということで憲法32条を見てみましょう!

日本国憲法 32条(裁判を受ける権利)
 何人も、
  裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。




 憲法32条には「誰だって裁判所で裁判を受ける権利があるんだよー!」と
書いてあります。

 ん!?
「裁判所で裁判を受ける?当たり前じゃない…?
 権利って言われても…私は訴えられないし、関係ないし!」って思った
そこのあなた。
 実はこの「裁判を受ける権利」は自分の自由を守る手続きが保障されている
という、大事な大事な意味のある人権なのです。

 これって大事ですよー。次のテストで出ますよー。

 裁判を「受ける」ということは、自分の権利や自由が侵害されたときに
助けを求めることができる 場所がありますよ!という意味です。

 そして、「裁判所で」というところがポイントです。

 国会や行政が判断するのではなくて、それらとは独立した場所で助けを
求めることができる、というところが大事なのです。

 特に個人の権利や自由が侵害される典型的なケースは警察官に逮捕されたり、
あるいは行政からの規制がされたりする場面ですので、そういった処分をした
当事者とは別の機関で、憲法、法律にのっとって法と証拠に基づいて判断を
受ける場所があるということは、私たちの基本的人権を守るためにはと~っても
大事なことなんです!

 では少し細かく解説します。

 まず「何人も」とあります。
 「国民が」とは書いていないのです。
 ですので、裁判を受ける権利は「日本国民のみ」を対象にしたものではなく、
外国人にも保障します、ということです。

 次に「裁判所で」とあります。
 これは民事訴訟法であったり刑事訴訟法であったり、法律で事前に決まって
いる「裁判所」で受けることができますよ、ということです。
 なお、最高裁判例では「私は東京にいるんだから東京の裁判所で受ける権利
がある」とまでは認められていません。
 あくまで法律で「そこで受けることができますよ」と決められた裁判所で
受ける権利があるという限度です。

 最後に「裁判」とありますが、憲法82条でも「公開」でなされる裁判と
されています。密室じゃなくて国民に開かれた裁判所ということです。

 いろいろな人権についても、裁判所が「最後の砦」と言われているのは、
この32条があるからなんだ!ということを知っておいてください。

ではまた明日!