2015年1月7日水曜日

最初に憲法改正をするテーマは何?


実は、国会では既に、1回目に憲法改正の手続をするテーマを何にするか、という議論が始まっている。
…って、知ってました?


衆議院と参議院には「憲法審査会」というものがあり、憲法改正についてさまざまな研究と議論を行っています。
テーマの絞り込みは、昨年11月6日の衆議院憲法審査会で、議論がなされました。


1回目に行う改正手続のテーマとして、11月6日に自民党議員から提案がなされたテーマは6つあります。
①環境権
②緊急事態条項
③財政規律
④憲法改正手続(96条)
⑤裁判官の報酬引き下げ(80条2項)
⑥公金の支出(89条)


ううむ、9条って入ってないんですね、
①環境権はよく言われるし④96条も2013年に大問題になったけれど、
そのほかは初めて聞いたけど何が何やら?と思われるかもしれません。


例えば、②緊急事態条項。
おおざっぱに言えば、災害や戦争などの緊急事態のときには、国会と同じ権限を内閣に与える、というものです。今の憲法にはありません。
東日本大震災以降、急に言われ始めたもので、マスコミでもなんとなく必要なんじゃないかなぁ~という論調が多くみられます。
11月6日の憲法審査会でも、9条のことを言う議員が多かったこともあって、緊急事態条項に対する異論は出されませんでした。


でも、ちょっと待ってくださいね。
ドイツでナチスが権力を独裁的に掌握していった大きな要因は、全権委任法にあると言われています。
(全権委任法は、緊急事態条項と同じように、内閣に立法権を与えるという法律でした)
気をつけないと、ナチスと同じようなことになってしまう危険性をはらむ条項ですから、
安易に入れよう入れようということにはできないはずです。


自民党改憲草案に書かれている緊急事態条項について解説した記事がありますので、興味があればぜひお読みください^^
http://www.asuno-jiyuu.com/2013/04/blog-post_22.html


こんな問題のあるテーマなんですから、国会でもマスコミでも私たち市民の間でも、十分話し合っていく必要がありますよね。
自民党は、2016年に憲法改正手続を行うことを目指すと言われています。
もう、来年です。