2014年11月20日木曜日

「選挙の争点は政権が決める」(by官房長官)って、おかしくありませんか?



  報道によりますと、菅官房長官は、集団的自衛権行使の容認は
「選挙の争点ではない」と発言したのだそうです。また、秘密保護法
についても「いちいち信を問うべきではない」、「何で信を問うのかは
政権が決める。安倍晋三首相はアベノミクスが国民にとって最も
大事な問題だと判断した」とおっしゃったとのこと。


 http://www.47news.jp/CN/201411/CN2014111901001539.html 




 え?って思いませんか?
 一瞬、ポカーンとしちゃうような…、


 選挙となれば、各政党が何議席獲得したかという形でしか結果は
出ないわけです。有権者一人ひとりが、政治のどこを見て「この
政権を支持しよう」「この政党は支持できない」と判断するか…
それこそ有権者一人ひとりの自由ですよね。


 そう、選挙の争点は政権が決めること、なわけないのです。




 世論調査でも、よくありますね、内閣を支持する理由として
「他の内閣よりましだから」「実行力があるから」「首相の人柄」等々…
支持する理由は、十人十色です。
 今回の選挙のように、「念のため選挙」とまで言われるほど、
なんで突然選挙なのか政権側の表向きの大義がどうも分から
ない(アベノミクスへの評価だ、とはおっしゃってるようですが)
選挙だと、なおさら、有権者の方々はそれぞれいろんな政策に
着目して、この政権を支持すべきなのか決めることになるので
しょう。
 だから官房長官のおっしゃることは、とても筋違いなことです。




 そして、私たち「明日の自由を守る若手弁護士の会」が声を
大にして有権者の方々に伝えたいことはもう1つ。


 第2次安倍政権は、発足以来、この国の憲法を機能停止に
追い込むかのような暴走を続けてきました。治安維持法のような
破壊力を持った特定秘密保護法を昨年末に作り、今年7月には
「戦争放棄」と書いてある憲法9条を「戦争できる」と読み替えます、
と宣言しました。国民投票では負けるので解釈を変えることで
9条を骨抜きにする、というおよそ民主主義国家において「あって
はならない」禁じ手を使ったのです。



 他国で戦争できる国にします、という閣議決定(集団的自衛権
行使容認)について、これから具体化されてしまう予定でした。
でも衆議院が解散、総選挙、となったわけです。
 つまり、今度の総選挙で当選した国会議員たちが、集団的自衛
の行使について具体的に審議していくことになるのです。




 国民が選挙で「集団的自衛権の行使に反対するこの議員に当選
して欲しい」「賛成するこの政党に議席を伸ばしてもらいたい」と考え
て投票するのは当たり前ではありませんか?
 この国の国民が、他国の戦争で命を差し出すことになるのか、
テロの標的になる国づくりを目指すのか、がかかっているのです。
これが争点にならないわけがない。




 特定秘密保護法だってそうです。
 自民党は公約で「こういう秘密保護法作ります」と言ったわけでは
ないのに、突如、国内外からの猛烈な批判・非難を無視して強硬に
成立させました。特定秘密保護法に反対する有権者が、その「廃止
してほしい」という思いを込めて投票するのは当然でしょう。




 菅官房長官の発言は、そんなわけで、どう考えても筋違い、と
いうか、正直いって、傲慢な発言です。
 審判を下される側の人が、「こういう観点から審判してね、それ
以外のポイントから審判されるのお断りだから」と勝手に言い放った
ようなものです。


 発足以来この内閣がこの国をどのような国にしてしまったのか、
これからどのような国にしていくつもりなのか、主権者一人ひとり
がしっかり見て、考えて、投票という形で意思を表しましょうね~~☆