2014年11月3日月曜日

今さら人に聞ケナイ特定秘密保護法 <ほんとにヤバイものしか有罪にはならないんだから大丈夫ってほんと?>

特定秘密保護法の何が問題かをイチから解説するシリーズ。今日は、<ほんとにヤバイものしか有罪にはならないんだから大丈夫ってほんと?>編です。

前回、前々回と、特定秘密の漏えいや取得が罪になるというお話をしました。特定秘密保護法ではこのほかにも、準備行為である「共謀(話し合うこと)」「教唆(そそのかすこと)」「煽動(他の人が行動を起こすようにあおること)」を処罰する定めがあります。
以下の6つの場合が犯罪になるとされています。
①漏えいの共謀
②取得の共謀
③漏えいの教唆
④取得の教唆...
⑤漏えいの煽動
⑥取得の煽動
これによって、秘密保護法による処罰の範囲はとても広いものになっています。

学者さんのなかには、仮に検挙されたとしても裁判では限定された範囲のものしか有罪にならないんだから、そんなに怖がる必要はない、という人がいます。
でも、例えば核廃棄物の運搬ルートを調べているNPOが、特定秘密である運搬ルートを知ろうとしたということで取得の共謀罪の疑いをかけられたらどうなるでしょうか。

警察は、そのNPOの事務所をすみからすみまで捜索して、書類を全部警察に持って行きます。これだけでその団体の活動はしばらくストップします。

メンバーの名簿も警察が押収するでしょう。そのNPOにかかわっている人は誰か、警察が把握できることになります。
それだけで、怖いからその団体にはかかわらないようにしよう、となりますよね。

もしかしたら、逮捕される人が出るかもしれません。
起訴されなかったとしても、最大23日間警察に身柄を拘束されます。そんなに仕事を休めない、家をあけられない。自分の生活のほうが大事だから、そんな危ない活動はしないでおこう、となります

これらはすべて、起訴前に行われることです。
有罪判決がなくても、市民の活動を委縮させるには十分なんです。
秘密保護法は、警察がこういったことをする十分な口実になってしまうのです。

もっと詳しく知りたい方は、当会の「これでわかった! 超訳 特定秘密保護法」(岩波書店)をお読みください^^
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