2014年3月5日水曜日

集団的自衛権行使前提の米軍基地が京都に?

 京都、経ヶ岬に米軍専用レーダーの設置が計画されていることを、皆さんはご存じですか?設置されるのは、青森県つがる市の航空自衛隊車力分屯基地にあるものと同じ「Xバンドレーダー」と呼ばれるもので、ミサイルを探知・追尾するための設備です。レーダー基地は、戦争となれば真っ先に攻撃対象になると考えられていることから、現地では不安の声が広がっています。

 
 このXバンドレーダー設置問題に関して、先日、京都の弁護士18人が、京丹後市役所丹後庁舎内にある近畿中部防衛局現地連絡所(防衛省の出先機関)の担当者と懇談を行いました。その防衛局担当者の話の中に、その場にいた弁護士全員を愕然とさせる回答がありましたので、ご紹介します。

弁護士A「Xバンドレーダーの防衛戦略上の位置付けは?」
担当者「北朝鮮からミサイルが日本海を超えて米国に放たれる危険に対応」

日本は攻撃を受けていないけれど、日本と密接な関係にある米国が攻撃を受けそうになっているから、これを阻止する。これって、まさしく集団的自衛権の行使じゃないんですかね?

弁護士A「憲法改正、解釈改憲を前提とした存在であるということですか?」
担当者「・・・わたくし個人としては、そのように考えております」

 戦後、国は一貫して、現在の日本国憲法のもとで集団的自衛権行使は認められないとの立場です(いくら安倍首相が解釈改憲で集団的自衛権容認だ!と躍起になっているとしても)。にもかかわらず、防衛省の出先機関である防衛局の人間が、集団的自衛権行使が将来的に容認されることを前提としてXバンドレーダー設置のための業務を行っているということには衝撃を受けました。
 

 米国ミサイル局シリング長官は、北朝鮮におけるテポドン2の開発が進んでいることを受け、「米国本土の防衛のため」に、日本で2つ目となるXバンドレーダー設置の必要があるという趣旨のことを述べています(2013年5月9日アメリカ上院軍事委員会)。米国にとっても、京都・経ヶ岬に設置されようとしているXバンドレーダーは、日本の防衛のためなんかではなく、米国の防衛のための存在なのです。

 弁護士B「この防衛局現地連絡所の体制は?」
 担当者「所長と所員1名の2名。所長は京都防衛事務所長と兼任。所員は近畿中部防衛局の各課から派遣され、1週間で交代する。」

 この担当者(所員)は、弁護士18人から質問攻めに遭うこの日に派遣されてきた自らの運の無さを恨んだことでしょう。1週間だけ京丹後市に派遣されたこの担当者の言葉に大きな意味がある訳ではありませんが、「日本の防衛のために必要!」と解釈改憲による集団的自衛権行使容認に異常な執着を見せる安倍首相の連日の発言によって、「(なんとなく)必要なのかも・・・」という雰囲気が広がり、集団的自衛権行使が既成事実化してしまうことは恐ろしいことです。

 
 集団的自衛権は本当に必要なのでしょうか。今、きちんと立ち止まって考えましょう、日本の未来のことを。そのために、当会作成のリーフレット「2分でわかる!集団的自衛権ほぼAtoZ」を是非ご活用ください。2月28日に完成&販売開始のお知らせをしてから1週間もたっておりませんが、現在までに95件、合計2万部の注文が当会まで届いております。
 立ち止まって考えてみて、集団的自衛権は要らないと思った方は、「ちょっと待った!」と声を上げましょう。