2014年3月26日水曜日

限定したって許されない解釈改憲

政府の安保法制懇が、集団的自衛権の行使を認める憲法解釈案で、「放置すれば日本の安全に重要な影響を与える場合」に限り行使を認める考え方を採用するとの報道がありました。
記事では、これによって外国領土での戦争に加わるといった典型的な集団的自衛権は容認対象から除外されることになると書かれています。

しかし、本当にそうでしょうか。

「放置すれば日本の安全に重要な影響を与える場合」であるかどうかは、それを判断する人の考え方次第です。これでは何の限定にもなっていません。

集団的自衛権行使容認で日本を戦争できる国にすることに対して慎重な立場をとる人達を、賛成側に引き込む意図が見え見えです。

こんな目くらましに、ごまかされてはなりません。

いくら集団的自衛権の行使を限定的に容認するのだといっても、解釈で憲法を変えることには違いがありません。

日本国憲法は、国民が国家権力に対して、「基本的人権を守り、平和のうちに生存する権利を確認せよ」と命じています。
国家権力を縛る法、それが「憲法」です。
しかし、「憲法」によって拘束される側の政府が、勝手な憲法解釈でその拘束の内容、拘束力を決めることができるとすれば、日本国憲法は「憲法」でなくなってしまいます。
憲法改正は、憲法自身が定める厳格な手続で国民の意思を問うた上で行わなければならないのです。

「限定容認」などという言葉にだまされないよう、しっかり考えて行動しなければなりませんね。