広島平和記念式典での、広島県知事のあいさつをご紹介します。
ぜひ下記URLから、全文お読みになってみてください。リアリスト
を自称して(核)抑止力へ過度に依存する人たちへの強烈な皮肉が、
一人でも多くの人の心に残ればと願ってやみません。
● 核抑止論を全否定「”使わないだろう”はフィクション」
広島県・湯崎知事あいさつ【全文】(広島ニュース)
https://www.tss-tv.co.jp/tssnews/000015763.html
<一部引用>
東欧では侵略戦争が勃発し,あまつさえその侵略国は,核兵器の
使用も辞さないとあからさまな脅しを世界にかけるばかりか,当事者
でない国の人々さえ,身を守るためには核兵器が必要だ,と言い始め
ています。
我々の多くが,侵略者の脅しが単なる虚勢ではなく,実際に核兵器
が使用される危険として認識したのではないでしょうか。
つまり,核兵器は,現実の,今そこにある危機なのです。
ウクライナ侵略で世界が突然変わった訳ではありません。世界の長い
歴史の中で,理不尽で大量の死を招く暴力は,悪により,しかし,時に
正義の衣をかぶりながら,連綿と繰り返されてきました。現在の民主
国家と言われる国でさえ完全に無縁とは言い難いかもしれません。
人間の合理性には限界があるという保守的な見方をすれば,この歴史
の事実を直視し,これからもこの人間の性(さが)から逃れられないこと
を前提としなければなりません。
しかしながら,力には力で対抗するしかない,という現実主義者は,
なぜか核兵器について,肝心なところは,指導者は合理的な判断のもと
「使わないだろう」というフィクションたる抑止論に依拠しています。
本当は,核兵器が存在する限り,人類を滅亡させる力を使ってしまう
指導者が出てきかねないという現実を直視すべきです。
今後,再度,誰かがこの人間の逃れられない性(さが)に根差す行動を
取ろうとするとき,人類全体,さらには地球全体を破滅へと追いやる
手段を手放しておくことこそが,現実を直視した上で求められる知恵と
行動ではないでしょうか。
<引用終わり>