2019年10月15日火曜日

ホームレスの避難所利用拒否  台東区の「命の選別」



 ままならない事情で経済的に困窮する危険は、誰にでもあります。
それを「弱肉強食の世界だから」「自己責任」と見捨てる世界観を、
日本国憲法は明確に否定します。本人の努力ではどうにもならない
貧困から救い上げ、人間らしさを保てる最低限の生活を保障すること
は国家の義務です(25条)。

  ↑ 
 これは、あすわかが頻繁にツイートしている憲法25条(生存権)
の解説です。

 そして、この憲法の感覚からはおよそ考えられないことが起きました。


 未曽有の破壊力で襲来した台風19号が首都圏を襲うさなか、
台東区が、「住所がない」という理由で路上生活者に対し自主避難所
の利用を断ったのです。


● 「お前らは人間じゃないと言われてるようだった」
             男性は避難場所のすぐ外で台風の夜を過ごした (Buzzfeed)
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191014-00010001-bfj-soci



 権力によるまぎれもない「命の選別」にこれ以上ない嫌悪を感じ
ます。
 「命を守る最善の行動を!」と呼びかけながら、路上生活者を
「保護されなくていい存在」として差別する、このおぞましさ。。。


● 路上生活者の避難拒否 自治体の意識の差が浮き彫りに
                 専門家「究極の差別だ」(毎日)
 https://mainichi.jp/articles/20191013/k00/00m/040/266000c




 立教大大学院特任准教授の稲葉剛さん
「行政による究極の社会的排除であり差別と言わざるを得ない。
緊急時に路上生活者が命の危機にさらされる、という意識が薄い
のではないか」
 台東区の「家がない人=守るに値しない命」という強烈な差別的
措置を、心から軽蔑します。速やかな謝罪は大前提ですが、外部に
第三者委員会を設置し、本件の検証を行うことは必須でしょう。
 他の自治体でも万が一にでも同様のことが繰り返されないように、
職員の最低限の人権感覚を確保することが必要なように思います。