2013年7月2日火曜日

立憲主義から憲法を考える7.1集会


 本日18時より、星陵会館にて
「立憲主義から憲法を考える7.1集会」が開催されました。
「明日の自由を守る若手弁護士の会」は共催団体として参加し、
早田由布子事務局長が、アピール文を読み上げました。


 集会では立憲フォーラムの代表である近藤昭一衆議院議員や
日弁連山岸副会長らに続いて、ゲストの樋口陽一東大名誉教授と
村山富市元首相がお話しになりました。

 雲の上の方々~~(←ミーハー)


 印象的だったのは、樋口陽一先生の「立憲主義と民主主義の関係」
についてのお話です。下記に要約メモを載せます。


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 強調したいのは、立憲主義と民主主義という2つの言葉の関係について。
 改憲派は96条改正について、「国会議員の発議要件を低くすれば低くす
るほど簡単に国民投票で国民の声を問うことができるじゃないか、それは
国民にとって民主主義が身近になるのだからいいことだ」、と主張する。
 そうではない。
 発議する立場にある国会議員は、十分な審議を尽くし、その議論の経過を
判断材料として国民へ示す義務を負う。日々の労働に忙しく日常的に政治を
考える余裕の無い国民が、いざ国民投票をする、その前の段階で、国会議員
が十分に議論する。少なくとも3分の2の議員が納得するまで議論を尽くし、
その上で国民に確かめる。そういう手順でなければならない。
 選挙でその都度過半数の賛成を得ることは、ある程度の努力と「軽いノリ」で
できること。改憲という重大な事項について「ある程度の努力」程度で国民投
票に投げることは、国民に判断材料を与えない、十分な主権者の権力行使を
むしろ妨げる。
 改憲は、そのときどきの有権者が軽いノリでできるようなものであってはなら
ない。
 96条論は手続き・形式の問題。形式というものが内容に先立って致命的に
重要であることは論を待たない。

 国民1人ひとりが自分の生き方を自由に決められるというのが、現行憲法
の13条であり、これが今の日本の形。自民党改憲草案は「個人」を「人」に変え、
同時に憲法前文も差し替えた。その理由は、Q&A(自民党がなにをやりたいの
か率直に書かれていて分かりやすい)によると、天賦人権論がけしからん、と
のこと。改憲されれば、前文がいう「人類普遍の原理」、「国民の厳粛な信託に
よる統治」、という理念が真っ向から否定されることになる。
 

 「戦後レジームからの脱却」という言い回しは、1945年以降の国際スタン
ダードからの離脱を意味する。安倍首相は頻繁に「価値観を共有している日米
同盟」というが、もはやそのアメリカからも疑いの目を向けられるほどの歪んだ
歴史認識。改憲は確実に日本を国際社会から孤立させる。


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 最後に早田事務局長が「あすわか」の活動報告とアピール文の読み上げを
しました。
 「弁護士が作ったとは思えないほど分かりやすい」と評判の4つ折りリーフの
紹介など、堂々と笑いをとりつつ明朗に話し、やや(?)平均年齢が高い場を
パっと明るくしました☆