2020年2月26日水曜日

河北新報社説「検事長の定年延長/法治の基盤が揺らぐ事態だ」



*** ことのあらまし ***

 東京高検検事長の定年を、国家公務員法を適用して延長するという
閣議決定。
 国家公務員法の適用がありえないことは、検察庁法に検察官独自の
定年規定があることや、国会での政府答弁からも明らかでした。
 「法解釈の変更」だとして国家公務員法を適用すると決めた閣議
決定は、事実上の法改正に等しく、国会の立法権をいくらでも内閣が
奪える、三権分立の崩壊です。
 しかも、その法解釈の変更を容認したという法務省と人事院の
「協議文書」なるものには日付がなく、人事院は「正式な決裁が
なかった」といい法務省は「口頭の決裁を経た」と答弁。
 「口頭の決裁」なんていうものがあり得るはずもなく、法治国家
そのものの終焉になりかねない事態になっています。

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 河北新報が社説でこの件を厳しく批判しています。


● 検事長の定年延長/法治の基盤が揺らぐ事態だ (河北新報)
https://www.kahoku.co.jp/editorial/20200226_01.html



<一部引用> 

 長年維持された法解釈を時の内閣が勝手に変えてしまうこと自体、
大きな問題をはらむ。
 法律は国会が制定する。その趣旨や適用範囲を変えるなら、政府は
改正案を国会に提出し、審議を仰ぐのが原則だろう。法律に縛られる
はずの政府が、都合よく法解釈を変更するのでは国民の法への信頼は
崩壊してしまう。

 法解釈変更の経緯にも疑義が深まっている。安倍首相の発言を受け、
人事院の担当局長は自らの答弁を「つい言い間違えた」という信じ
難い理由で撤回。森法相は解釈変更の時期を何度も問われ、1月下旬
と説明した。
 しかし、その根拠となる文書には日付がなく、人事院は正式な決裁
を経ず、法務省は口頭で決裁を行ったという。
 重大な法解釈変更がこれでまかり通るなら、もはや法治国家の体を
なしていない。安倍首相の発言を取り繕うため、答弁を修正し、つじ
つまを合わせたとしか見えない。


<引用終わり>