2019年4月16日火曜日

理不尽な校則の押しつけ 「思考しない」人間を育てます。


●ツーブロックはダメ?校則に疑問の声 学校「高校生らしくない」 (西日本新聞)

 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190415-00010000-nishinp-soci&p=1


 新入生を迎えた学校では、校則に戸惑う生徒さんや親御さんも
おられるのでは。

 ぜひ一度、厳しい髪形の規制に代表されるような校則がなぜある
のか、理由や目的について、学校や先生に真正面から質問できる
機会が欲しいですね。
 規則を設けるからには、趣旨や目的があるはずです…。


 厳しい髪形や服装などの校則は、つまり人の自由を奪うのですから、
それなりの必要性と合理性が求められます。
 余計なお世話だったり、人権や民主主義の観点から誤ったメッセ
ージを放ちかねないルールは、生徒の尊厳にとって有害であり人権
侵害になりかねない事を、当然、学校や教師は理解しておく必要が
あります。


 例えば、「服装の乱れは精神の乱れ」「服装の乱れた生徒が1人
でも見られれば、世間からの学校全体のイメージが悪化する」など
の“お説教”をする教師は、「つまり人の価値は外見次第なのですね」
という純朴な生徒からの(容易に想定できる)質問に対し、誠実に、
論理的に回答できなければなりません。


 また、多くの学校・教師が服装や髪形の規制について「中学生/
高校生/●●校生らしさ」という理由を挙げますが、これも「それは
先生方の“好み”ですね?」と質問されたとき、「そうです、単なる
私たちの好みの押しつけです」と言いたくないのであれば、誠実に
論理的な回答を準備しておくべきです。


 教師と生徒が校則について議論し合えれば、人権の教育上、とても
貴重でしょう。

 なぜ服装や髪形を規制しないと「生活が乱れる」といわれ、なぜ
「非行に走る」といわれ、なぜ「勉学に集中できない」といわれる
のか?

 そこに因果関係はあるのか?

 科学的な根拠はあるのか?

 それは余計なお世話ではないのか?

 髪型や服装の自由を奪われる生徒たちにとって、校則はリアルな
人権制約の体験です。
 それについて当然沸き上がるであろう「なぜ?」に対して、教師
のゼロ回答や非論理的な回答は、暗黙のうちに、しかし強力な
「長いものには巻かれていればいいんだ」「権力に立てつくな」と
いうメッセージになります。
 
 問答無用に教師が校則で自由を奪い続け、生徒との議論も応じない
のであれば、確実に「長いものには巻かれるしかないんだ。権力には
従うしかないんだ」と生徒は学びます。
 そして考えることをやめ、長いものに巻かれ続ける大人になります。
自由を奪うということの重みを、学校側も改めて学び直す機会を設け
ていただけたらと切に願います。