2018年3月1日木曜日

「9条2項をとりあえず残して自衛隊明記」…というお試し改憲


 自民党は、憲法9条の改正について、
①憲法9条2項(戦力不保持)を残したまま自衛隊明記する案

    と

②9条2項を削除して自衛隊明記する案

   とで意見が対立しています。

 そんな中、②の案を強く主張していた石破茂氏が、①の案を
容認する考えを示唆したとのこと。

●石破氏、「9条2項維持」容認示唆 自民改憲案が前進へ(日経)
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27401440W8A220C1MM8000/



 この「9条2項を残して自衛隊明記」案は、簡単に言うと
「9条2項削除を目指す一里塚」です。

 例えば、自民党憲法改正推進本部の船田元議員は、その
「(最初はとりあえず残しておいて)2回目の憲法改正で9条2項を
削除すればいい」という意図を明言しています。

 9条2項を「とりあえず」残す。

 この「とりあえず」が重要なところで、
 まずは1回国民に憲法改正を経験させて警戒を解く、という道である
ことが自民党内の議論でも明らかになっています。


 思い出すのは、おととしあたりまで自民党が本気で考えていた
「『緊急事態条項』でお試し改憲」計画です。

 まずは賛成が集まりやすそうな緊急事態条項で一度改憲を国民に
経験させて、それから9条を…というプロジェクトでしたね。


 いずれにせよ、「本当は9条2項を削除したい」という狙いを隠し
て「とりあえず自衛隊明記するだけ」という案を提案する、という
自民党の編み出す方法は、国民に真剣に憲法を議論してほしい、と
いう誠実な態度には見えません。
 そういう本当の狙いまで国民に知らせた上で、大いに議論しなけれ
ばいけないことのはずです。

 木原財務副大臣(自民党)も、やはりこう発言しています。



 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-02-19/2018021901_03_1.html … 
 

 どうやら何回も改正したいようです。
 憲法は主権者国民のものなので、憲法という名の檻に閉じ込められ
ているはずの国会議員が「この檻、変えようよ」と議論を先導するの
はおかしな話です。
 そして、ほんとうの狙いや計画を隠して先導するのは、ほんとに
ほんとにおかしな話です。