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2018年3月23日金曜日
自民党の9条改憲案が一応まとまったところで(下)
安倍首相の発言だけ追うと、なぜ9条を改憲したいのかまったく
わからず、「錯乱」という文字が浮かんできてしまいます。
表立って本当の狙いを語ってくれないのですね。
自民党内の議論などからだいたいは推察できます。
9条と真っ向から矛盾する安保法制が成立し、自衛隊は同盟国の戦争に
参加できる事実上の「戦力」に変貌しました。これをじわじわと、しかし
確実に「戦力」として位置付けたいからこその、自衛隊明記なのかな、と
思われます。
●「戦える国」改憲で追認 「9条に自衛隊」自民決定(東京)
www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018032390070442.html
22日に一応、自民党の9条改憲案はまとまりました。
まとまった、というより、「強引に、まとまったということにした」と
言った方が正確でしょう。党内でこんな異論が強いのに、なんでこんな
前のめりなのでしょう…。
改憲案では自衛隊を合憲たらしめてきた「自衛のための必要最小限度の
実力組織」という言葉も取りはらっているようです。
この言葉で、国民に「だから自衛隊は戦力じゃないんだよ」と説得して
きたのに、この言葉を取る。
自衛隊が確実に戦力になるわけではないものの、その言葉でのしばりが
取れれば、ますます自衛隊が「戦争に参加できる戦力」という既成事実が、
9条2項を死文化させることになります。
9条2項を意味ないものにおとしめて、時期を見計らって削除し、最終
的には2012年の改憲草案どおりに「国防軍」として位置付ける。
安倍首相と首相に追随する人たちの計画で、その一里塚としての、この
改憲案なのかな、と。